器:杉江保枝

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DATE:
2004.12.10

『豚の角煮』

●お肉屋さんで豚の皮付き三枚肉を発見。沖縄では豚の角煮と言えばこの皮付き三枚肉を使いますが、東京ではあまり見かけることがありません。メキシコ産の冷凍肉なので、今流行りのトレーサビリティーを考えると、う〜ん、と唸りたくなるところだけれど、そこは三枚肉の魅力には勝てず、早速買い求めて角煮を作りました。一度あくを抜いて煮こぼしてから作るので、油分は想像以上に抜けています。それでもコラーゲンたっぷりの皮はとろとろで、その皮の下にある脂身がまた甘くてほっぺたが落ちそうな美味しさ。日本酒の代わりに焼酎を使い、生姜やネギで臭みを取ってありますので、豚が苦手という方にもオススメです。ついついお酒が進む一品です。
用意するもの(概略)
  • 豚の皮付き三枚肉固まり700g程度
  • 米ぬか少々
  • ネギ一本
  • 生姜
  • だし汁1カップ
  • 焼酎2/1カップ
  • 醤油2/1カップ
  • みりん2/1カップ
  • 溶きがらし

一口メモ

●沖縄の角煮、いわゆるラフテーは、泡盛と黒糖で味を付けますが、今回は焼酎(ちなみに麦焼酎を使いました)とみりんを使用しました。甘みが足りないと思われる方は砂糖を使ってください。さん生家では醤油が湯浅のたまりで、もともと甘みがあるので、砂糖は使いませんでした。また、だし汁は丁寧に引いたカツオだし。鰹節をおごっただしにもそれ自体に味と甘みがありますので、砂糖を加える必要がないのです。糖分の取りすぎにお悩みの方は、ぜひ一手間かけても良いおダシを使ってみてください。自然の素材のうまみが引き出されて、甘味料などは不要と思えるはずです。

作り方
  1. 豚の三枚肉は大きめの角切りにする。
  2. 圧力鍋に1の肉を並べ、全体がかぶるように水をたっぷり加えた後、米ぬかひとつかみを入れてフタをして火にかける。強火で加熱して、重りが回ったら15分加熱。火を止めて10分蒸らす。
  3. 圧力鍋のフタを取り、肉を水洗いする。まわりについたあくを取り除くように、柔らかな流水で丁寧に洗う。肉が崩れないようによく注意する。ぬるめのお湯を使うとあくが取りやすい。
  4. 洗った肉はキッチンペーパーを敷いたバットに並べて余分な水分を取る。
  5. 再び肉を圧量鍋に入れ、調味料、生姜の薄切りを加え、最後にネギの青い部分のみをタテ半分に切って上に置き、火にかける。強火で加熱。重りが回ったら20分加熱し、10分蒸らす。調味料はだし汁1に対して、焼酎、醤油、みりん、それぞれ2/1の分量。
  6. フタをとってネギを取り除いてから再度火にかけ、煮汁を煮詰めながら味を調節する。
  7. 器に盛りつけ、予め切っておいた白髪ネギと針生姜、溶きがらしを添えて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●さん生家では醤油は和歌山の湯浅より取り寄せています。角長という老舗のたまり醤油で、大豆の自然な甘みがあって、とても美味。甘いと言っても甘味料の甘さではなく、あくまでも大豆の甘さですから嫌みはありません。色が濃いのが難点と言えば難点ですが、じっくりと熟成してあるため、全くと言っていいほど塩辛さがありません。料理にはもちろん、お刺身醤油としても美味しく使えます。みなさんもちょっと贅沢して、本格的仕込みの醤油をぜひ一度使ってみてください。角長の醤油は百貨店等で手に入ります。また百貨店には角長以外の湯浅の醤油や、日本各地の美味しいお醤油がならんでいますので、味を比べてみるのも楽しいでしょう。いろいろ使ってみて、お好みの味を見つけてください。

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