用意するもの(概略)
- 合鴨抱き身1枚
- 塩・胡椒
- オレンジ1個
- 白ワイン60cc
- 砂糖大さじ2
- 水
- 顆粒スープ
- オリーブオイル
- じゃがいも
- にんじん
- ほうれん草
一口メモ
●ポイントは何と言っても鴨の焼き具合です。肉が桜色に仕上がるのがベストとは言え、最初からうまく行くとは限りません。火を通しすぎたり、生だったり、失敗は多々あるかと思います。ただ鴨は牛と同様、生でも食べられる肉類です。火を通しすぎるよりは生っぽい方がよいかと思います。生かどうかは、ソースで温めた後、切って初めて気が付くわけですが、このときもし生だったら、スライスした肉をもう一度ソースに戻して程良く煮上げてあげましょう。盛りつけは煮込み料理のような雰囲気で。これはこれで美味しく食べられますので、失敗を恐れず、鴨にチャレンジしてください。なお、鴨肉は冷凍もしくは半解凍状態で売っているものがありますが、調理の際は程良く解凍してから使ってください。肉の内部が凍っていると火が通りにくく、失敗の原因になります。
●フレンチの定番であるオレンジソースですが、案外簡単に作れますし、何かと応用も利くので、この際手順を覚えておくとよいでしょう。カラメルの甘さと果汁の酸っぱさが程良くマッチしたとても美味しいソースです。柚子やレモンを使うとさっぱり味になります。鶏肉や豚肉のソテーなどにも合いますし、ローストビーフのソースとしても使えます。一度お試しくださいませ。
●付け合わせの野菜はおこのみでどうぞ。今回はじゃがいも、にんじん、ほうれん草を使っていますが、かぶのソテー、変わったところでは大根のソテーなども合います。もちろん最も相性のよいネギを添えるのも面白いかもしれません。
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作り方
- 合鴨の抱き身(胸肉)は余分な肉や脂身、筋などを丁寧に取り除き、皮目に斜めに包丁を入れ、皮の方を中心に塩胡椒。
- 付け合わせ用のにんじんは食べやすい大きさに切りグラッセ。じゃがいもは輪切りにし、一度ゆでて火を通しておく。ほうれん草は3センチほどの長さに切っておく。
- オレンジ1個は絞っておく。100%果汁のオレンジジュースで代用してもよい。
- 熱したフライパンにオリーブオイルを敷き、一旦火を弱めてから鴨肉を皮から焼く。弱火で時間をかけて皮がかりかりになるまで焼いて行くが、途中で余分な油分をキッチンペーパー等で取り除きながら焼くときれいに仕上がる。
- 皮にきれいな焼き色が付いたら裏に返しさらに焼く。火を入れる時間は全体で8〜9分程度。竹串を肉に刺し、唇に当ててみて温かかったら火が通っている証拠。竹串が温かく感じても、刺した部分から出てくる汁が濁っているようなら、まだ焼き上がっていないのでさらに火を通す。同じ作業を何度か繰り返しながら、焼き具合を調整する。ただし鴨は肉が桜色に仕上がるのがベスト。火を通しすぎると固くて美味しくなくなるので注意する。
- 焼き上がってすぐに切ると血が出るので、焼き上がった鴨は一度キッチンペーパーを敷いたバットに取り、15分ほど休ませて血を落ち着かせる。
- 鍋に砂糖大さじ2と同量の水を入れて火にかけ、木じゃくしを使って混ぜ合わせながら飴色になるまで加熱する。火が弱すぎると砂糖が結晶化してしてしまうし、強すぎると焦げるので注意する。ある程度色が付いたら、あとは余熱で色を付けて行くと失敗が少ない。
- 4のカラメルソースに白ワイン60ccと3のオレンジ果汁を加え、カラメルがとけるまで木じゃくしで混ぜ合わせながら加熱する。カラメルがとけたらそのまま皿に熱を加えて半量まで煮詰める。
- 5が半量まで煮詰まったところで、水カップ1.5と顆粒スープをティースプーン2杯弱程度加えて皿に加熱し、1/3程度まで煮詰めて行く。途中でオレンジのあくを丁寧にすくっておくこと。
- フライパンに油を敷いてじゃがいもをいため、続けてほうれん草も炒めておく。
- 15分休ませた6の鴨肉を9のソースに入れて温める。全体に火が通ったら一度引き上げ、薄切りにして皿に盛りつける。
- 盛りつけた肉にソースをかけるが、このとき茶こし等を使って漉してやると仕上がりがきれいになる。
- にんじん、じゃがいも、ほうれん草等の付け合わせ野菜を添えて出来上がり。
ここでもう一品!
●鴨の抱き身をロースト用に整形すると、余分な肉や脂身が出ます。鴨の脂身は炒めるととても美味なので、ぜひネギと炒めてお召し上がりください。手順は肉を食べやすく切って千切りにしたネギと炒めるだけ。味付けは塩と胡椒だけで十分です。鴨と葱の相性はばっちりですから、これがまたことのほかうまく、程良い酒のつまみにもなります、こちらもどうぞお試しください。
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