器(左を除く):杉江保枝

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DATE:
2005.02.12

『鶏皮三種』

●懐具合が寂しいとき、動物性タンパク質を安価で摂ることのできる鶏皮を便利に使っています。コレステロール値が気になるところですが、丁寧にゆでて脂肪分を取り除き、ポン酢で和えてさっぱりいただくと思いの外上品な味わいです。今回はさらに一工夫。ラー油と胡麻油を使った中華風と、おろしニンニクとコチュジャンで和えた韓国風(チャンジャ風)も用意いたしました。どれも意外な美味しさで、ネギと生姜をたっぷり使うことで臭みもあまり感じません。作りたてをあっさりいただくのも美味しいけれど、1日置いて味がしみたものもまた美味。特に韓国風はおろしニンニクがなれて味がなじんだ二日目がお勧めです。コレステロール値を気にしない方には、皮をゆでた後のお湯をスープでどうぞ。もちろんこのスープ、あらゆる料理に使えます。簡単に出来て、色々味わえ、しかも安価な有り難いメニューです。
用意するもの(概略)

基本の材料

  • 鶏皮350g
  • 塩少々
  • 生姜50〜80g程度をお好みで
  • ネギ一本
  • お湯

和風ポン酢和え

  • 柚子適宜
  • 柚子ポン酢醤油適宜
  • 醤油適宜

中華風

  • 柚子ポン酢醤油適宜
  • 胡麻油少々
  • ラー油少々
  • 鷹の爪輪切りになっているもの少々
  • 塩少々

韓国チャンジャ風

  • コチュジャン ティースプーン2〜3杯程度をお好みで
  • 胡麻油適宜
  • 醤油適宜
  • 煎りゴマ大さじ1程度
  • ニンニクひとかけ
  • 塩適宜

一口メモ

●材料を混ぜ合わせるだけの料理ですから特に難しい点はありません。ポン酢和えは、ご家庭でお使いのポン酢によって味に差がありますので、お好みで味付けしてください。また、一手間かけてご自分でポン酢をお作りになればさらに美味しく出来上がります。柚子やダイダイ、カボスやスダチなど、お好みの柑橘類を醤油と合わせます。だし汁を加えると味がマイルドになり、米酢少々を入れるとコクが出ます。美味しく作るコツは、酸味の強い柑橘類と甘味の強い柑橘類を両方使うこと。ミカンやオレンジなども材料になりますので、一度お試しください。

●ポン酢醤油同様、コチュジャンも品物によって味が違います。いろいろ試してお好みの製品を見つけるのも楽しいでしょう。また、コチュジャンであえたチャンジャ風は、作ってすぐより1日おいた方が味がなじんで美味しくいただけます。辛みに弱い方はコチュジャンを控えめに。なかなか面白い味わいなので、ぜひ一度作ってみてください。

基本の作り方
  1. 鍋にお湯を沸かし、生姜のスライス1〜2枚とネギの青い部分、鶏皮をゆでる。
  2. 鶏の皮に火が通ったらキッチンペーパーを敷いたバットなどに取る。残りのスープは他の料理に使えるので、漉して取っておくとよい。
  3. 2の鶏皮を2〜3センチ角の食べやすい大きさに切り分ける。
  4. ネギはみじん切り、生姜は1〜1.5センチ程度の長さの千切りにする。
  5. 3の鶏皮と4のネギ、生姜をよく混ぜ合わせる。これが基本(A)。今回は三種類に味付けをするので、三等分してボールに取り分ける。

和風ポン酢和えの作り方

  1. Aに刻んだ柚子の皮を加え、柚子ポン酢醤油でよく和える。味を見て足りないようなら醤油を加えて調節する。
  2. 器に盛りつけ、柚子を飾って出来上がり。

中華風の作り方

  1. Aに柚子ポン酢醤油、胡麻油、ラー油、鷹の爪を加えてよく和える。味が足りない場合は塩を加えて調節する。
  2. 器に盛りつけて出来上がり。

韓国チャンジャ風の作り方

  1. ボールにコチュジャン、胡麻油、醤油、すり下ろしたニンニク、煎りゴマを入れてよく混ぜ合わせる。
  2. 1とAを合わせてさらにによく混ぜる。味を見て足りないようなら、塩や醤油、コチュジャンで調節する。
  3. 器に盛って出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●鶏皮をゆでたスープは、ラーメンをはじめとする中華料理や、シチュー、カレーなどの洋風の煮込み料理など、さまざまな料理に重宝します。臭みが気になる方は、ゆでる際に生姜を多めに入れて。また脂が気になる方は冷蔵庫で一晩寝かせて固まった脂を取り除くとよいでしょう。こってりがお好きな方は、もちろんそのままでお使いください。簡単に本格鶏スープが取れますので、鶏皮料理は一石二鳥。しかも安価でお得な料理といえるのではないでしょうか。

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