器:杉江保枝

FILE32

DATE:
2005.04.15

『春の上海風焼きそば』

●ラーメンを食べようと麺を茹でたのはいいけれど、一人前はちょっと重いなと感じて、半分は調理せずに冷蔵庫に取っておいたのがきっかけで作るようになった料理です。冷たくて、しかものび気味の麺は、正直言ってもうラーメンにする気にはなれません。さりとて普通の焼きそばではやはり麺がべちゃべちゃして美味しいとも思えません。そこで麺の表面を焼き、あんをかけることを思いついたわけです。ポイントは麺はテフロン加工のフライパンでじっくりカリカリに焼くことと、あんを作る際の醤油を入れるタイミングです。春の、と冠をつけたのは、この季節にふさわしい新筍を入れたらことのほか美味だったから。野菜たっぷりの具に、今回は豚肉を会わせましたが、海老やイカを使って海鮮風に仕上げても美味しいですね。

用意するもの(約二人前・概略)
  • 中華生麺二人前
  • 新筍・あく抜きをしたもの80g
  • チンゲンサイ1株
  • 生椎茸2枚
  • 長ネギ1/4本
  • 人参40g
  • ウズラのたまごの水煮6個
  • ニンニク1かけ
  • 豚肉コマ80g
  • 醤油40cc
  • 水1.5カップ
  • 中華スープの素(顆粒)ティースプーン1杯程度
  • 片栗粉大さじ1
  • 塩・胡椒
  • ごま油適宜

一口メモ

●あんを作る際の一番のポイントは醤油を入れるタイミングです。必ずスープを入れる前に鍋肌からかけ入れ、じゃーっと香りをたててください。麻婆豆腐のコツとして、近所の中華屋のおやじさんから教わったのですが、こうした中華あんの場合も、先に醤油を入れた方が美味しく出来るようです。後から醤油を加えた場合と比べると、味が際立っている感じ。この作り方を知ると、後から醤油を加えたものは味がぼやけているように感じられます。一度お試しください。

作り方
  1. 中華麺はたっぷりのお湯で柔らかめに茹でる。ゆであがったらざるに取り、冷水で引き締めておく。水で麺をしめるので、必ず柔らかめに茹でること。
  2. 筍はあくを抜き、薄切り。チンゲンサイは食べやすい大きさに切る。生椎茸は石突きを取って薄切りに。長ネギはタテ半分に切った後、斜め薄切りに。人参は4センチ程度の長さの短冊に。ニンニクはみじん切り。豚肉は食べやすい大きさに切って軽く塩・胡椒をしておく。
  3. 強火で熱した中華鍋にごま油を引き、ニンニク、ネギ、豚肉の順番で炒める。
  4. 豚肉に八割程度火が入ったところで、鍋肌から醤油をかけ入れ香りをたて、水、中華スープの素を加える。
  5. 3が煮立ったら、チンゲンサイ以外の材料を入れ、さらに煮込む。材料に火が通ったらチンゲンサイを加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
  6. テフロン加工をのフライパンを中火にかけ、ごま油を引き、1の麺を入れ、表面がかりっとなるまで焼く。片面が焼き上がったら裏に返し、もう片面は軽く焼く程度にとどめ、皿に盛る。
  7. 麺の上から5の熱々のあんをかけて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●あんの具材はお好みで変えてくださって結構です。白菜、キャベツ、ニラなど、野菜をたっぷり入れるとスープに味が出てとても美味しくいただけます。今回は春らしく新筍を加えました。もちろん水煮を使ってもいいのですが、自宅であくを抜いた新筍はひと味違います。シャキシャキとした歯ごたえと香りが、いかにも春を呼ぶといった風情。筍のあく抜きは圧力鍋を使うと手早く出来ます。筍は頭を斜めに切ってたてに切れ目を入れ、水と一つかみのぬかを入れて火にかけ、重りが回ったら15分加熱。火を止めそのまま放置して冷まします。冷めたら水に取って2〜3時間おけばあくが抜けます。野菜の他にはむき海老やイカなど、色々と試してください。具がたっぷり入ったあんは健康にも良さそうですね。

さん生さんちの台所TOPへ  今週のおもてなし料理を見る  料理ファイル一覧を見る