器:杉江保枝

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DATE:
2005.05.06

『筍の昆布締めと握り、姫皮の木の芽和え』

●先週に引き続き、筍を素材にした料理です。今回はあく抜きした筍を昆布締めにしました。昆布締めというと魚のイメージが強いのですが、野菜の昆布締めもまたおつなもの。薄く切って昆布に挟んで半日ほどおくだけで出来上がります。さらにその昆布締めの筍を寿司飯で握りに仕立ててみました。可愛らしい握りはパーティーなどでも活躍しそうですね。そしてもう一品、皮の柔らかい部分を使った姫皮の木の芽和えは程良い箸休めとして、また酒のつまみとしても最適です。晴れ上がった青空に透明な五月の風が吹き抜けていきそうな、さっぱりしたさわやかな料理です。

用意するもの(概略)
  • 筍(あくを抜いたもの)
  • 板昆布
  • 白飯
  • 合わせ酢(酢、塩、砂糖)または市販の寿司酢
  • 木の芽
  • 味噌、みりん、だし汁

一口メモ

●昆布締めの昆布は板昆布が最適ですが、普通のダシ昆布でも十分間に合います。その場合は昆布を酒で柔らかくして大きく広げるようにして使います。一枚では幅が足りないようなら、二枚をずらして重ねて使っても結構です。魚を昆布締めにする場合は、厚さにもよりますが、1時間程度から食べられます。筍などの野菜の場合は、身が固くなる心配がないので、半日〜1日おいても美味しくいただけます。魚より長めに時間を取った方が美味しくいただけるようです。

●あく抜きした筍はそのままでも食べられますが、一度湯がいた方が色もよく、美味しく仕上がります。茹で時間は軽く湯がく程度。キッチンペーパーで水気を取ってから昆布締めや木の芽和えにしてください。木の芽和えは、今回は姫皮だけを使っていますが、もちろん筍本体を混ぜ入れても結構です。また、木の芽田楽風に仕立てるのも楽しいですね。

作り方
  1. 筍はあくを抜き、硬い皮は取り除く。上部の柔らかい部分の皮は丁寧に取り外し、さらに硬い部分を取り除いて短冊に切る。本体は縦1/2に割った後、食べやすい長さに切り、さらに2ミリほどの厚さに切る。姫皮、本体とも、一度お湯で軽く湯がいて、キッチンペーパーを敷いたざるに取り、水分を切って冷ましておく。
  2. 板昆布は15センチほどの長さに切り、酒を含ませたキッチンペーパーで汚れを拭いて柔らかくしておく
  3. 2の昆布に1で薄切りにした筍を並べ、上から昆布を重ねて挟み込む。ラップできっちり包んで冷蔵庫で半日程度保存する。
  4. 白飯は予めかために炊きあげ、合わせ酢または市販の寿司酢をかけてしゃもじで切るように混ぜ、寿司飯を作る。
  5. 握りは薄い酢水を手につけながら小さな俵型に握り、上に昆布から取り外した筍の昆布締めと木の芽をかぶせてさらに軽く握る。
  6. すり鉢を用意し、木の芽をペースト状になるまでよくする。木の芽は硬い部分があるようなら予め取り除いておく。
  7. 6に味噌とみりん、だし汁少々を加えてさらにすり混ぜ、茹でて冷ましておいた姫皮を和える。
  8. 昆布締めは昆布から取り外して盛りつけ、木の芽を飾る。その他の料理も適宜盛りつけて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●昆布締めに使用した昆布は二度、三度は使えません。でも捨ててしまうのはもったいないので二次利用は可能です。小さく切って佃煮にしたり、オーブントースターでぱりぱりに焼いたりします。油で素揚げにして軽く塩をふれば、とても美味しいおつまみスナックの出来上がり。健康にもよさそうですね。

●寿司飯には合わせ酢を用いましたが、市販の寿司酢でも結構です。最近は自宅で合わせ酢を作る方が少ないようですが、出来ればこれも手作りでなさった方が、それぞれの好みにあった味が出せるのではないでしょうか。お酢のつんと来る匂いが苦手という方は、合わせ酢を作るときに小鍋で軽く沸騰させると味がマイルドになります。酢が10なら砂糖が3、塩が1程度の割合で調味料を混ぜると良いでしょう。お好みでダシ汁を少々まぜても美味しく作れます。

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