器:杉江保枝

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DATE:
2005.08.26

『鮪のづけ』

●暑い季節、生ものはどうも敬遠しがち。決して食べたくないわけではないけれど、せっかくの刺身が膳の上で温まってゆくのは興ざめですし、第一温まっては美味しくありません。そこで酢で〆たり、あらいにしたりとさまざまな工夫を凝らすのが先人の知恵。鮪も醤油で漬けていわゆる「づけ」にすれば、この季節にも抵抗なくいただけます。わさびをつけて頬張れば、醤油と鮪の濃厚さと共に、爽やかさが口中に広がり、えもいわれぬ味わいに。「づけ」を肴に質の良い純米酒を飲む贅沢。残暑厳しい気怠い午後を至福のひとときにしてくれる逸品です。もちろん御飯と一緒にいただいても美味。酢飯を使ってづけ丼を作るのもお勧めです。

用意するもの(概略)
  • 鮪の赤身1サク(約170g〜200g程度)
  • 塩小さじ1/2程度
  • 醤油80cc

一口メモ

●一言でいってしまえば、さっと湯通しした鮪を醤油で漬けるだけ。難しいテクニックはいりません。ただ、湯通しする前にほんの少量の塩をまぶすのがさん生家流。これによって鮪に味が染みやすくなります。塩はあくまでもほんの少量。1サクに小さじ1/2程度です。粒の大きな粗塩などは魚の表面を必要以上に傷つけてしまい、仕上がりがよくありませんので避けてください。できればパウダー状の塩を用意していただければベスト。とにかく粒の細かい上質な塩を使うようにしましょう。

作り方
  1. 鮪の赤身はサクのまま表面に軽く塩をふる。
  2. 鍋に湯を沸かし、沸騰したら1の鮪を入れ、表面が白くなったら素早く取り出し、キッチンペーパー等で余分な水分を取る。
  3. ビニール袋に2の鮪を入れ、醤油80ccを注いできっちり封をし、冷蔵庫で1時間ほど放置する。
  4. 一時間たったら醤油から鮪を取り出し、薄く切って皿に盛りつける。わさびを添えていただく。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●醤油につける時間はお好みですが、大体一時間程度でとても美味しくいただけます。それ以上になると身が締まり過ぎ、しょっぱくなるのであまり長時間はおすすめできません。夕食のおかずにお考えなら、一等最初に調理を済ませるといいでしょう。他のおかずを準備している間にどんどん美味しくつかります。ぜひ一度、お試し下さい。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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