注意! このレシピは落語家・柳家さん生公式サイト『さん生さんちの台所』内で紹介されているものです。無断で転載、転用、また写真を使用するなどの悪質な利用方法は断固としてお断りいたします。すべての権利はサイト制作者・杉江保枝が有するものです。ご質問等はメールにてinfo@3lives.netまでお送りください。
器:杉江保枝

FILE61

DATE:
2005.11.04

『玉子の醤油漬け』

●結婚した当時、つまり今をさかのぼること二十数年前、あまりに簡単で美味しいので、面白がってしょっちゅう作っていたこの料理。ここ十年ほどすっかり忘れていましたが、最近になってふと懐かしく思い出し、作ってみる気になりました。日本料理の代表的珍味に、玉子の黄身の味噌漬けというのがありますが、これはその醤油バージョン。何のことはない、玉子の黄身を醤油に三、四日つけ込むだけの超簡単料理です。出来上がりはご覧の通り。固くなった黄身の味は濃厚で、上質なチーズや唐墨を彷彿とさせます。つまようじの先でちょっとずついただきながら杯を傾ければ、高級料亭の趣に。もちろん御飯のおかずにもなります。ぜひお試しください。

用意するもの(概略)
  • 玉子適宜
  • たまり醤油適宜(なければ醤油とみりん半々に)

一口メモ

●特に解説の必要性はない料理です。単純に黄身を醤油につけ込むだけですから、どなたでも簡単にできます。白身と黄身を分けるときは、黄身を崩さないよう十分に注意して。レシピにも書き加えておきましたが、殻座を丁寧に取り除いておくと、とても綺麗に仕上がります。殻座が十分に取り除いてない場合は、盛りつけの時に、指の腹などで周りの薄膜と一緒に取り除いてやるといいでしょう。ただしこの作業は黄身が十分固くなってからでないと失敗しますので注意。3日目くらいから食べられますが、4日目頃が一番の食べ頃。味が濃厚になり、黄身の臭みがすっかり取れて、まったく別の食べ物のようです。

作り方
  1. 玉子は黄身と白身を分ける。
  2. 黄身だけを浅めの保存容器に移す。このとき、形が崩れないように注意しながら、白い殻座を丁寧に取り除いておくと仕上がりが綺麗になる。
  3. 2の容器に、玉子の黄身がひたひたになる程度のたまり醤油を入れる。たまり醤油がない場合は、醤油とみりんを半々程度に入れる。
  4. 3を冷蔵庫に入れ、3〜4日つけ込む。4日目あたりが一番の食べ頃。
  5. 盛りつけるときは黄身のまわりに付いた薄膜を取り除き、キッチンタオルなどで余分な醤油分を払ってから盛りつけるときれいに見える。箸の先やつまようじで少しずついただく。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●残った白身は天ぷらやフリッターに使えます。メレンゲにしてお菓子作りに役立ててもいいでしょう。つけ込んだお醤油は、すき焼きの割り下などに利用できますが、玉子のタンパク質がとけ込んでいて、加熱すると白く濁りますので、思い切って捨ててしまった方がいいかも? 使い捨てならなるべく醤油の量は減らしたいもの。そこで浅めの保存容器を使いますが、醤油の量が少ないときは、一日に一度、黄身の裏表を返してやると全体に上手に漬かります。とにかく簡単で手頃で安価にできる高級珍味(矛盾した表現ですが)です。一度試してみてください。病みつきになること請け合いです。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
さん生さんちの台所TOPへ  今週のおもてなし料理を見る  料理ファイル一覧を見る