器:杉江保枝

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DATE:
2006.01.06

『柳家のこんにゃく』

●柳家の新年会、と言えば何はなくともこれ。亡くなった小さん師匠のおかみさんが赤坂の料理屋で教わった料理だそうで、新年会の食卓には決まって載っていたそうです。さん生家でももちろんお正月には必ず作る料理。実は正確な作り方が伝わっているわけではないので、さん生家ではさん生家なりのアレンジで調理しています。早い話がみじんに切ったこんにゃくのきんぴらですが、これがまた酒飲みにはたまらないつまみであり、おまんまっ食いにはたまらない御飯のおかずでもあります。酒一筋の年寄りはこれを肴にひたすら飲み、屈強な若者はこれをおかずにひたすら飯を食うというのが、新年会ならではの風景。簡単な料理ですが、ぜひ一度お試しになり、柳家の正月気分を味わってみてください。

用意するもの(概略)
  • こんにゃく
  • ごま油
  • だし汁
  • みりん
  • 醤油
  • 鷹の爪

●こんにゃくのみじん切りは面倒なもの。まずは薄くスライスし、千切りにするようなつもりで包丁を入れ、さらに細かく切っていきます。あまり神経質にならずに適当に切ってしまって構いません。今回、分量は示していませんが、さん生家では一度に5〜6枚は作ります。切ってからアクを抜きますが、このとき、油炒めもできる鍋を使い、お湯ごとこんにゃくをザルにあけたら、そのまままた火に掛けて油を敷く、と言う手順を取ると仕事が速く済みます。

作り方
  1. こんにゃくは粗みじんに切り、沸騰したお湯で湯がいてアクを抜き、ザルに取る。
  2. 熱した鍋にごま油を引き、1のこんにゃくを軽く炒める。
  3. こんにゃく全体に火が通ったら、だし汁少々、酒、みりん、醤油で味を調え、水分がなくなるまで煮る。ときどき木べらでかき回しながら、味が均一に染みるようにする。
  4. 火から下ろす間際に鷹の爪少々を加えてさらにひと混ぜし、出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●だし汁を使うのがさん生家流。実際の小さん師匠宅のこんにゃくは、醤油やみりんだけで味付けしたシンプルなものだったようです。だし汁を使うとかなり上品に仕上がりますが、上品すぎると言われることもあります。調味料の分量はお好みでどうぞ。辛いのが苦手な方は鷹の爪を入れなくてもいいでしょう。特に何という料理でもないのですが、安上がりで、便利な点が好まれていたようです。柳家伝統の味を、どうぞお楽しみください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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