器:杉江保枝

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DATE:
2006.01.13

『牛肉と大根の関西風煮込み』

●関西で食べる牛筋の煮込みはとても美味しいのですが、牛筋を扱うのは並大抵のことではありません。もっと手軽に、あの煮込みの味わいを出せないものかと考えて作ってみたのが今回の料理です。使用しているのは牛の薄切りですから、長く煮込む必要もありません。ダシを上手に利かせてあっさりした関西風の味付けを心がければ、庶民の味が瞬く間に出来上がり。ごぼうの香りも、熱々の大根もたまりません。寒い夜、熱燗で一杯もよし、焼酎のお湯割りもよし。そして酒のお供にはこの煮込みをぜひどうぞ。

用意するもの(概略)
  • 大根1本
  • ごぼう1本
  • 人参1本
  • 牛肉赤身薄切り250g
  • だし汁1000cc
  • 酒100cc
  • みりん100cc
  • 塩小さじ4
  • 醤油大さじ1

●毎度お馴染み大根はあく抜きをしっかりと。米のとぎ汁がない場合は、ゆで汁に米粒ひとつまみ、あるいは米ぬか少々を使用してもいいでしょう。竹串がすっと通るまで茹でてアクを抜きます。ごぼうもあくの強い野菜です。酢水につけてこちらもしっかりアクを抜いておきます。この二つの野菜を先に煮ます。その方が大根に味が染みやすくなります。肉を加えるのはだし汁が沸騰してから。これは牛肉が固くなるのを防ぐため。また、熱い汁に入れた方が肉がすぐにばらけるので扱いやすくなります。

作り方
  1. 大根は皮を剥き、四つ割りにしてから乱切りにし、米のとぎ汁で竹串がすっと通るまで茹でてアクを抜く。
  2. ごぼうは泥を落として乱切りにし、酢水につけてアクを抜く。人参は4センチ程度の短冊に。
  3. 牛肉は食べやすい大きさに切っておく。
  4. 鍋にアクを抜いて水洗いした大根、酢水から取って水洗いしたごぼうを入れ、だし汁1000ccを加えて強火にかける。
  5. 鍋が沸騰してきたら牛肉と酒を加え、さらに沸騰してきたらアクを丁寧にすくい取る。
  6. 5の鍋をみりん、塩、醤油で味を調える。
  7. 味が決まったら人参を入れ、オーブンシートなどで落としぶたをし、30分ほど煮込む。
  8. 器に盛りつけて出来上がり、お好みでネギのみじん切り、七味などをかけていただく。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●イメージは関西風の牛筋の煮込みですが、すじ肉を使わず、薄切りの赤身を使って手軽な煮物に仕上げてみました。薄切り肉は切り落としで十分です。味付けはややあっさりめに仕上げます。ネギや七味を添えるといかにも酒のつまみですが、御飯にかけても美味しく食べられますので、おかずにしても喜ばれると思います。冬の寒い夜、あたたかな煮込みは胃にも優しく、体がほかほかして嬉しいものです。ぜひお試しください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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