料理と器:杉江保枝

FILE88

DATE:
2006.05.12

『草だんご』

●信州の友人の家を尋ねた折に、山に自生するよもぎを採ってきました。東京でよもぎというと天ぷらなどに使われることが多いようですが、やはり何と言っても草だんごが一番。というわけで、久し振りに草だんごを作ってみました。最近はよもぎ自体があまり手に入らず、作る機会はめっきり減っていたのですが、自分で作ると美味しさは格別。香りも味も、売っているものとはひと味もふた味も違います。上新粉をこねたり蒸したり、よもぎの繊維をつぶしたり、力仕事が多くてくたびれる作業ですが、パンやお菓子を作る感覚で、こうした和菓子を作ってみるのも一興です。よもぎが手に入ったら、ぜひお試しください。

用意するもの(概略)
  • よもぎひと掴み強
  • 上新粉250g
  • お湯220cc
  • 黄粉、砂糖、塩適宜

一口メモ

●よもぎは手に入ったら茹でて冷凍しておくと一年中草だんごが楽しめます。よもぎの繊維はとても強くてすりつぶすのが大変。そこで文明の利器、フードプロセッサーやブレンダーなどを上手に活用してください。それでもなかなか繊維は切れないもの。すり鉢ですりこぎを使って根気よくペースト状にしてあげましょう。一人で孤独に作業をしていると疲れるので、家族の方とお喋りしながらやると楽しくできます。黄粉の味付けはお好みで。砂糖の他に塩少々を加えることを忘れずに。また、小豆あんなどでももちろん美味しく食べられます。

作り方
  1. よもぎは色よく茹でて水に取り、きつく絞って水気を切る。
  2. 上新粉をこね鉢やボウルに入れ、熱湯220ccを少しずつ加え、耳たぶほどの柔らかさにこねる。湯が熱いので、最初は箸で全体に水分を行き渡らせ、少し冷めたら手でこねてゆく。
  3. こね上がった上新粉を適当な大きさにちぎって蒸し器に並べ、20分ほど蒸す。
  4. 1のよもぎをフードプロセッサなどですりつぶし、さらにすり鉢で繊維をつぶす。すると言うよりすりこぎで叩くようにすると良い。
  5. 蒸し上がった3のだんごを4のすり鉢に入れ、すりこぎで突きながらよもぎと合わせる。混ざってきたら手で良くこねる。こねるときは手水を随時つけながら行う。全体に色が均等に馴染んだら出来上がり。
  6. 器に盛りつけ、黄粉を添える。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●上新粉はお湯でこねます。熱いので火傷しないように注意してください。一度蒸して、またこねますが、このときも熱いので要注意。最初はすりこぎで突くようにして全体を混ぜ合わせていきます。程良く混ざったら手でこねます。拳を作って上から押しつけるようにして、裏に返して同じ作業を繰り返します。手水をつけながら、力一杯にこねてあげましょう。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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