料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.05.26

『豚のリエットとオクラのパテ風』

●リエットはフレンチの定番料理。元は厨房のまかない食だったとか。中でもお馴染みなのがポークのリエット。実際には脂の多いバラ肉ともも肉を合わせてスープで煮込んですりつぶしたものを、パンなどに付けていただきます。脂のこってり感がたまらないうまさを引き出すのですが、ダイエット中の身の上としては遠慮したいところ。そこで脂分の少ないもも肉だけを使い、ゼラチンを加えてとろとろ感を出し、さらにオクラと合わせてパテ風に固めてみました。これならカロリーは抑えられ、脂の少なさをゼラチンがカバーしてくれますので、舌触りもリエットそのもの。ゼラチンはコラーゲンたっぷりで肌にも良さそう。オクラ独特の風味がまたなかなかの味わいです。すり鉢でつぶした粒胡椒がピリッと利いて、程良いアクセントになっています。

用意するもの(18センチのパウンド型1台分・概略)
  • 豚もも肉かたまりで470g
  • オクラ2ネット
  • 水450cc
  • コンソメキューブ4個
  • 粗塩適宜
  • 塩・胡椒適宜
  • 粒胡椒小さじ2
  • 粉ゼラチン小さじ3(水大さじ2.5でふやかす)

一口メモ

●久し振りに手の込んだ料理です。といっても作り方は比較的簡単。要するに豚肉を茹でてすりつぶし、ゼラチンで固めるだけです。ゼラチンで固めると言っても、ゼリー寄せのように作るのではなく、肉全体にゼラチン質をまぶして固める感じ。ですからゼリー液の量は肉の分量に比してあまり多くはありません。豚のにおいが苦手という方は、スープで煮込む際にローリエなどを加えるといいでしょう。但し、基本的に豚は脂分ににおいがあり、赤身だけを使用している今回のような料理の場合は、かえって味わいを損ねかねませんから程々に。その代わり、粒胡椒を荒くつぶしてアクセントにしてあります。辛いのは嫌いという方は入れなくても構いませんし、また白粒胡椒を使うと比較的辛みが抑えられます。

作り方
  1. 豚もも肉はこぶし大程度に切り、全体に粗塩をまぶしてよくすり込み5分ほど置き、圧力鍋で20分間下ゆでし、そのまま自然放置する、
  2. 1の圧力鍋が冷めたら中身を取り出し、回りについたアクを流水で軽く洗い流し、別の鍋に入れる。このとき手で小さく割って入れると良い。
  3. 2に水450ccとコンソメキューブ4個を入れ中火にかけ、20分ほど煮込んで塩・胡椒で味を調えたら、自然放置して冷ましておく(スープの量は300ccほどになる)。
  4. オクラは洗って塩をまぶして板ずりし、お湯で色よく茹でておく。
  5. 粉ゼラチン小さじ3を大さじ2.5の水でふやかしておく。
  6. 粒胡椒小さじ2をすり鉢などで荒くつぶしておく。
  7. 3が冷めたら肉だけを取り出し、フードプロセッサーを使ってやや粗めにすりつぶす。
  8. 3のスープだけを火にかけ、70℃前後まで温め、5のゼラチンを入れて良くかき混ぜて溶かし、さらに7の肉、6の粒胡椒を加えてよく混ぜ合わせる。
  9. パウンド型に8の1/3量を敷き詰め、オクラの半量を全体に平均するよう並べ、その上にさらに1/3量を敷き詰め残りのオクラを並べ、最後に残った8を全て敷き詰めて表面を整え、ラップをして冷蔵庫で冷やし固める。
  10. 2時間ほど冷やすと固まるので、一度冷蔵庫から出し、周辺にへらなどを入れて取り出しやすくし、底を熱い湯につけて少しとかし、ラップを敷いた上に取り出す。回りがお湯で多少溶けているので、全体をラップで包んでさらに1時間ほど冷やせば出来上がり。1〜2センチ程度の暑さに切り分けて卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●肉好きの方はオクラが余分に思えるかもしれませんが、食べてみるとこれがなかなかのもの。リエットはパンなどに付けて食べると美味しいのですが、オクラもぜひ一緒に食してみてください。もちろん、そのままつまみとしても美味。パウンド型で固めたことで、盛りつけも容易ですので、パーティーなどのご馳走にもぜひお勧めいたします。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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