料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.06.02

『鶏の香草焼き』

●庭のローズマリーからにょきにょきと新芽が伸びています。この時期のローズマリーはやわらかくて香りも新鮮。早速鶏の香草焼きを作ってみました。いわゆるローストですが、フライパンを使うのでさほど面倒ではありません。肉の表面に、刻んだローズマリー、オリーブオイル、蜂蜜を合わせたものを塗り、弱火でふたをしてじっくりと加熱します。蜂蜜を使ったことで程良い焦げ目が付き、ほんのりとした甘味がまたたまりません。オイルを表面に塗ってから焼くので、肉の旨味も内側にぎゅっと凝縮されて、たいへんジューシーな香草焼きが出来上がります。ローズマリーと相性の良いポテトと、この季節においしいアスパラガスをソテーして添えて。ちょっぴりレストラン風に気取った一皿が出来上がりました。

用意するもの(概略)
  • 鶏胸肉1枚
  • ローズマリー(生のもの)4枝
  • 粗塩小さじ1
  • 胡椒少々
  • オリーブオイル大さじ1
  • 蜂蜜大さじ1/2
  • ロースト用にオリーブオイル少々
  • じゃがいも小5個
  • アスパラガス2本
  • 塩・胡椒適宜

一口メモ

●レストラン風の豪華な一品です。何と言ってもジューシーな鶏肉の味わいと、仄かに鼻をくすぐるローズマリーの香りがたまりません。ローズマリーの風味を生かすために味付けはシンプルにし、ニンニクなどにおいのきつい素材は一切使わないことにしました。その代わりに登場しているのが蜂蜜。表面に塗ることできれいな焦げ目を実現し、さらにこの甘味が肉の旨味を程良く引き立てます。ここで難しいのが火加減。蜂蜜は火が強すぎるとあっという間に焦げてしまいますので要注意。必ず弱火でじっくり時間をかけて焼き上げていきましょう。焼くときはふたをして全体に火が通るようにします。根気よく待つのがここでのポイントかも。

作り方
  1. 鶏胸肉はバットに広げ、両面に粗塩と胡椒を良くすり込む。
  2. じゃがいもは洗って皮を剥き、5ミリほどの厚さにスライスして竹串が通る程度に茹でておく。
  3. アスパラガスは色よく茹でて、穂先以外は乱切りにしておく。
  4. ローズマリー2枝は葉をこそぎ、みじん切りに。残り2枝はロースト時に使用するのでそのまま取っておく。
  5. 小さい器にみじん切りにしたローズマリーとオリーブオイル大さじ1、蜂蜜大さじ1/2を入れてスプーンで良く混ぜ合わせる。
  6. 3を1の鶏肉の表面にスプーンを使って塗りつける。ローズマリーが全体に平均して行き渡るように塗る。
  7. フライパンを火にかけ、オリーブオイル少々を引き、4の鶏肉を皮目の方から弱火で焼く。ローズマリー2枝を上からかぶせてふたをする。
  8. こんがり程良い焦げ目が付いたら裏に返し、さらにふたをして弱火で焼く。八分ほど火が通ったら、再び皮目を下にして焼き、全体に火が通ったところで取り出し、まな板の上で食べやすい大きさに切る。
  9. 6の鶏肉を器に盛りつけ、一緒に焼いたローズマリーを上に飾る。
  10. 鶏を焼いたフライパンをそのまま再度火にかけ、2のじゃがいもと3のアスパラガスを軽く炒め、塩・胡椒で味を調え、9の肉に添えて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●ローズマリーは栽培が簡単なので、ご自宅にも一鉢置いておくと何かと便利です。挿し木でも増やせます。もちろんスーパーに売っているものを利用しても構いません。乾燥したものより生葉がオススメ。鶏の他、ラム肉にも良く合います。また今回も使用したじゃがいもを使ってベークドポテトなどを作る場合も役に立ちます。鎮静作用もあるというローズマリーの香りを、ぜひ楽しんでみてください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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