料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.07.07

『茄子のしぎ焼き』

●茄子のしぎ焼きは、さん生家では夏の朝の定番メニューです。一般にいわれるしぎ焼きは、油を塗った茄子を焼いて、さらに味噌を塗って仕上げますが、さん生家ではフライパンを使って焼き上げ、最後に醤油で味をつけます。調味料は他には一切使わず、たいへんにシンプルな料理となっていますが、味は抜群。ついついご飯が進んでしまいます。茄子は油を吸いやすいので、コレステロール値が気になる方にはちょっぴり恨めしい素材ですが、テフロン加工のフライパンを使って上手に調理すれば、油はかなり節約できます。動物性タンパク質のような重いものは食べたくないけど、夏バテ対策のためにもあまりあっさりし過ぎたものは・・というときに、油を使った野菜料理はお勧めです。お試しください。

用意するもの(概略)
  • 茄子2本
  • ごま油大さじ1強
  • 醤油大さじ2
  • みょうが1本

一口メモ

●しぎ焼きは本来茄子をタテに切って油を塗って焼き、さらに味噌を塗って仕上げる料理です。田楽に似た雰囲気ですが、朝の忙しい時間帯なら、手間がかかってちょっと敬遠したいところ。味噌を使うなら思い切って味噌炒めに、と主婦なら考えてしまいます。さん生家では、しぎ焼きといえばしょうゆ味。この方が手軽で簡単ですし、やや濃い味がおまんまの友としても嬉しい一品。難しいのは油をいかに効率よくしみこませるかという点。また、焼きようによっては色が抜けてまずそうに仕上がってしまいます。上手に焼くコツはまず皮から焼くこと。皮を焼き付けて色を止め、裏に返してじっくり全体に火を通します。調味料は醤油のみ。甘味が足りないとお感じなら、みりんなどを混ぜてもいいでしょう。醤油は最後にさっと欠け回して、焦がさぬように香りを立てて仕上げます。

作り方
  1. 茄子はへたを取り、タテ二つ割りにして皮に斜めに包丁目を入れ、キッチンペーパーで余分な水分を取っておく。
  2. みょうがは芯を落として千切りにして、水にさらしておく。
  3. フライパンを火にかけ、ごま油大さじ1強を引き、あまり暑くならないうちに茄子を皮の方から強火で焼く。
  4. 皮全体に油が回ったら、裏に返して火を中火に落とし、さらに焼く。
  5. 箸で両側から挟んで柔らかくなっているようなら焼き上がっている証拠。火を強くして、醤油大さじ2をさっとかけ回す。醤油を入れる際に余分な油があるようなら、キッチンペーパーでふき取っておくと良い。醤油にさっと火を通して出来上がり。
  6. 皿に盛りつけ、2のみょうがの水をよく切って上からあしらい、卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●茄子は油が染みやすい素材です。油が少ないとうまく火が通りませんし、多すぎるとぎとぎとして美味しく仕上がりません。そこで重宝なのがテフロン加工のフライパン。少量の油で焦がさず焼き上げることができるので便利です。テフロン加工のフライパンはあまり熱することなく焼き始められます。火にかけ、油を引いたらすぐに茄子を入れ、徐々に火を通していきます。皮は強火で焼き、裏に返したら中火に落とします。醤油を入れる直前に、フライパンの表面に油が残っているようなら、キッチンペーパーでふき取りましょう。なお、鉄のフライパンを使用する際は、よく熱してから油を引き、全体を馴染ませて茄子を投じます。この際、茄子に水分が残っていると跳ねるので要注意。また、テフロン加工のフライパンより大量の油が必要ですので加減してください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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