料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.07.21

『ピーナッツ豆腐』

●ピーナッツを使った豆腐は沖縄料理でお馴染み。沖縄ではジーマミー豆腐と呼ばれています。本格的なジーマミー豆腐は生の落花生を使って作りますが、家庭では入手が困難です。普通の乾燥ピーナッツを使う手もありますが、ペースト状にするのが面倒。そこで一計を案じ、市販のピーナッツバターを使って手軽に作れる方法を考えてみました。ピーナッツバターは甘味の少ないものを選ぶのがポイント。またくず粉の代わりに片栗粉を使うことで、家庭でより作りやすくアレンジしてあります。わさび醤油でいただけば立派なおかず、酒のつまみですが、ピーナッツバターを使ったことでやや甘味があり、黒蜜などをかければおやつとしても美味しく召し上がれます。とても簡単ですので、ぜひお試しください。

用意するもの(概略)
  • ピーナッツバター100g
  • 水400cc
  • 片栗粉大さじ2.5及び同量の水
  • 流し型(豆腐用)
  • わさび適宜

一口メモ

●ピーナッツバターは砂糖の少ないものを選んでください。また、混ざりものの多いのもお勧めできません。今回使用したのはアメリカ産のもので、原材料はピーナッツと植物油、砂糖のみ。日本のものは子ども向けに甘味を強くアレンジしたものが多く、やわらかくするためにさまざまな添加物が使われています。表示をよく見て選ぶようにしましょう。また、甘味が少ないと言っても、さすがにピーナッツバター。出来上がりはやや甘口になるのは否めません。わさび醤油で召し上がればそれほど気にはなりませんが、この甘味を逆手にとって、デザートとして食べるのもお勧めです。黒蜜など、お好みのタレをかけて召し上がってみてください。

作り方
  1. 片栗粉は同量の水でといておく。
  2. 鍋にピーナッツバターと、水の五分の一程度の涼を入れて弱火にかけ、泡立て器を使ってよく混ぜ合わせながら火を入れる。ピーナッツバターが溶けたら残りの水を少量ずつ加え、やはり泡立て器を使って、ダマにならないようゆっくりと混ぜながら火を入れる。
  3. 2に水が全量入り、煮立ってきたら、1の片栗粉を少しずつ入れてとろみをつける。片栗粉はすぐに水に沈むので、指を使って混ぜながら入れる。このときも泡立て器を上手に使い、ダマにならないよう注意しながらとろみをつけ、全ての片栗粉を入れて粉にも火が通ってふつふつしてきたら火から下ろし、あら熱を取る。
  4. 流し型を軽く水で濡らし、3を流し入れる。空気を抜いてさらに熱を取り、ある程度冷えたところで冷蔵庫に入れて半日程度冷やし固める。
  5. 型からはずして食べやすい大きさに切り、器に盛りつけて出来上がり。お好みでわさびを添える。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●ジーマミー豆腐やごま豆腐を固めるのに使われるのは本来くず粉です。でもくず粉は扱いが難しく入手しにくいので、今回は片栗粉で代用しました。片栗粉でも十分に固くなりますし、美味しく出来上がります。片栗粉を混ぜるときもそうですが、ピーナッツバターを水でのばす時も、ダマを作らず滑らかにするのが美味しく作るコツ。泡立て器を使うと失敗が少なく、上手に仕上がります。状況に応じて木べらや、高温にも耐えられるシリコン製のヘラを使ってください。滑らかでピーナッツの香り高いピーナッツ豆腐は、夏のおつまみに持ってこい。滋養分も豊かですので、ぜひお試しください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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