料理と器:杉江保枝

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DATE:
2006.12.08

『豚バラ肉のタレ焼き』

●果物に含まれるフルーツ酸には、肉をやわらかくする作用があります。さん生家では梨やりんごと言った季節の果物を使って焼き肉のタレを作り、様々な料理に役立てています。今回のタレには今が旬のりんごを使用。やや厚く切った豚バラ肉によ〜く揉み込んで、フライパンで焼きます。もちろん網焼きにしても美味ですし、固まりの肉に一晩漬け込んでからオーブンで焼けば焼き豚の出来上がり。フライパンで焼く場合はあらかじめタレを少し多めにしておき、焼けた肉にからめてとろみをつけ、つけ合わせの野菜と共にいただきます。水菜やレタスなどを、サラダ感覚でたっぷり添えましょう。茹でた小松菜を添えれば栄養素的にもバッチリ。美味しいタレ焼きをどうぞご賞味あれ。

用意するもの(概略)
  • 豚バラ肉固まり(約300g)
  • 塩小さじ1
  • 胡椒少々
  • サラダオイル少々
  • 付け合わせ用の水菜適宜
  • 焼きダレ(りんご1個/タマネギ1個/ニンニク1片/レモン汁/りんご酢/醤油/塩・胡椒/ごま/好みでコチュジャンや蜂蜜、鷹の爪を入れる)

一口メモ

●りんごとタマネギ、ニンニクを使ってタレを作ります。すり下ろしたものをそのまま使用しても良いのですが、それだと肉が焦げやすくなり、保存もあまりききません。ちょっと手間ですが、良く絞ったエキスのみを使用して上品に仕上げましょう。梨の季節には梨を使用して作ってもとても美味。この絞り汁にレモン汁やりんご酢、醤油などを加えるわけですが、分量はお好みで味を見ながら作れば良いと思います。ワインや日本酒、ブランデーなどを加えてもいいでしょう。甘味が足りなければ蜂蜜を、辛みが欲しいときには鷹の爪やコチュジャンを加えて調節します。辛みを加えずにタレを作っておいて、調理するもに合わせて調節するのも一つの手。焼き肉はもちろん、バーベキューなどにも使える重宝なタレです。

作り方
  1. 焼きダレを作る。りんご皮ごと適当な大きさに切って芯を取り、やはり適当な大きさに切ったタマネギ、ニンニクと共にフードプロセッサーにかけてすり下ろす。
  2. 1をこし器やぬれ布巾を使って良く絞る。タレには絞り汁のみを使用。絞らずそのまま使っても良いが、その場合は肉が焦げやすく、保存もあまりきかないので注意。
  3. 2にレモン汁、りんご酢、醤油、塩・胡椒、ごまなどを加えて良く混ぜる。分量は各自の好みで構わない。りんごだけで十分甘味があるが、甘いのが好みなら蜂蜜で味を調節。コチュジャンや鷹の爪を入れてもよい。出来上がったタレは密閉容器に入れておけば暫くは保つ。保存期間が長くなりそうなら、酢(レモン汁やりんご酢)の分量をやや多くしておくと良い。
  4. 豚バラ肉は5ミリほどの厚さに切り、塩小さじ1を振ってよく揉み込み、さらに3のタレ大さじ4〜5を加えて全体にタレが染みるように揉み込んで5分ほど置く。
  5. フライパンを熱してサラダオイル少々を引き、4の肉を焼く。つけダレが残るが、捨てずに取っておく。強火で片面を焼き、焼き色が付いたら裏に返して残っていたつけダレを加え、ふたをして中火で2分加熱。ふたを取り、全体にタレが絡むように良く焼き上げ、まず肉だけを水菜を敷いた皿に盛り、残ったタレを強火でとろみが出るまで加熱。最後に皿に盛った肉と水菜全体にタレをかけ回して出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●焼くというより、タレで煮る感覚に近いかも知れません。片面に焼き色が付いた時点で残っていたタレを加え、ふたをして加熱、最後に豚の脂と良く馴染んだタレを全体にからめて出来上がりです。今回はバラ肉を使用しましたが、他の部位でももちろん構いません。最後にタレを煮詰めてとろみをつけます。このとろみが肉に絡んで何とも言えない味わいに仕上がります。水菜やレタスなどを添えて、肉と一緒に食べるとさらに味わい深いので、ほとんどサラダ感覚で生野菜をたっぷり摂るといいでしょう。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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