料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.03.02

『牛すね肉のりんご煮』

●りんごの季節ももうすぐ終わります。冬の間に買い置きしておいたりんご。いつの間にかちょっぴりふかふかになってはいませんか? 少ししなびたりんごがあるなら、お肉と一緒に煮てみましょう。今回は牛すね肉を使用。牛すね肉は脂分が少なく、圧力鍋を使って水から煮出すだけでたいへん美味しいスープが取れます。そのスープを使って、肉をさらにりんごと一緒に煮込んだのがこの料理。味付けはシンプルに塩・胡椒だけですが、りんごの甘味があるので、思った以上にコクのある仕上がりになります。りんごに含まれる酸が肉を柔らかくしてくれますので、固いすね肉も箸で簡単にさばけるほど柔らかくなります。その肉にもりんごの風味がほどよくとけ込んで、ちょっぴり贅沢な味わいです。

用意するもの(概略)
  • 牛すね肉(固まりで)約600g
  • 粗塩適宜
  • 水適宜
  • りんご小3個
  • タマネギ1個
  • ニンニク1片
  • オリーブオイル少々
  • 塩・胡椒適宜

一口メモ

●シチューやカレーなどによく用いられる牛すね肉は脂分が少なく、案外扱いやすい部位だと思います。煮くずれるのが嫌な方は、たこ糸で縛ってから調理しましょう。水から圧力鍋で煮出すと、とても味の良いスープが取れます。牛肉自体に粗塩を多めにすり込んであるので、そのままでも美味しく飲めるほど。りんごと煮込む際には、500〜600cc程度のスープを使いますが、余ったらネギスープなどにして楽しみましょう。ラーメンのベースにしても美味しく出来上がります。お試し下さい。

味付けはシンプルに塩と胡椒のみ。肉の臭みが気になる方は、水から煮出す時点でブーケガルニやローリエを加えても構いません。ただ、りんごの風味を大切にするなら、あまり香辛料を使わない方が美味しくなるような気がします。

作り方
  1. 牛すね肉に粗塩をやや多めに(片面につき小さじ2弱程度)すり込み、5〜10分おく。
  2. 圧力鍋に1の肉を入れ、全体がかぶるように水を加えて強火にかけ、重りが回ったら火を弱めて30分間加熱。火を止めたら自然放置する。
  3. 2が冷めたらふたを取り、肉を取り出し、スープをスープこしでこしておく。鍋は再度使うので一度洗っておく。
  4. りんごは皮を剥いて芯を取り、櫛形の薄切りにしておく。タマネギは櫛形の薄切り、ニンニクはみじん切りにしておく。
  5. 3で洗っておいた鍋を火にかけ、オリーブオイル少々を引いてニンニク、タマネギの順で炒めてゆく。タマネギを入れたらすぐに軽く塩を振ると、タマネギから水分が出て焦げにくい。
  6. タマネギがしんなりしてきたら4のりんごを加えて全体を軽く炒め、3で取り出した肉を入れ、こしておいたスープのうち600cc程度(材料がひたひたになる程度)に加える。
  7. 6の圧力鍋が沸騰してきたら一度火を止め、ふたをして強火にかけ、重りが回ったら火を弱めて30分加熱。そのまま一晩放置する。
  8. 一晩放置した鍋のふたを取り、また加熱する。肉とりんごのソースが良く馴染んだら塩・胡椒で味を調え出来上がり。肉を適当な大きさに分け(おたまや箸で簡単に切れる)器に盛って卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●タマネギを炒める際には焦がさないように注意してください。焦がすと全体の出来上がりの色が悪くなります。りんごソースをきれいな飴色に仕上げるには、タマネギは焦がさないことです。鍋に入れた時点ですぐに塩少々をふってあげると、タマネギから水分が出て焦げにくくなります。他の炒め物の際などにも、これはちょっとしたコツですので、覚えておくといいかもしれません。出来上がった料理は、単品でも楽しめますが、パンと一緒に食べるとまた美味。りんごの甘味が生きたソースをパンにつけて、去りゆく冬の思い出を楽しんでください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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