料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.05.25

『バラかつ』

●とんかつというとロースやひれが一般的ですが、豚肉のうまさが凝縮されている部位といえば何と言ってもバラ。そのバラ肉のかたまりを薄切りにしてかつにします。油っぽいのでは、と思われがちですが、油で揚げることによって余分な脂質が落ちますので、かえってさっくりした仕上がりになります。もちろん脂の部分にある豚のうまさはそのまま。しかも揚げ油の中に溶け出した脂質はラードと同じ働きをしてくれます。つまりお肉屋さんで揚げたとんかつのように、香ばしい揚げ上がりになるのです。豚肉が自分の脂を利用して、自分で揚がっていると思っていただければいいでしょうか。肉はあまり厚切りにせず、低い温度の油でじっくり揚げるのがコツ。固くて歯が立たない、なんてこともありません。香ばしくってさくさくっとして、豚の旨味が最大限に引き出されたバラかつ。一度お試しあれ。
用意するもの(概略)
  • 豚のバラ肉かたまりで適宜
  • 塩・胡椒適宜
  • 玉子1個
  • 小麦粉適宜
  • パン粉適宜
  • 揚げ油適宜
  • キャベツ適宜

一口メモ

●バラ肉は厚切りにすると揚げ上がりが固くなりがちです。5ミリ程度の薄さに切って、塩・胡椒をまぶすときやパン粉をまぶすときに、掌で押さえるようにしてさらに薄くすると美味しく出来上がります。味付けはお好みですが、バラの場合は塩・胡椒をややきつめにした方が味わいが深くなるようです。ソースの他に、醤油で召し上がってもなかなかいけますよ。

作り方
  1. 豚バラ肉かたまりは5ミリ程度の暑さに切り、両面に塩・胡椒をして小麦粉をまぶしておく。
  2. キャベツは千切りにしておく。
  3. 1の肉を溶き卵に浸したあと、パン粉をつける。
  4. 3の肉をやや低温の油で揚げる。片面がきつね色になったら裏に返し、油の温度を少し上げてカリッと揚げる。
  5. 揚げ上がったかつをキャベツと共に器に盛りつける。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●揚げるときは油の温度に要注意。あまり温度が高いと中まで火が通らず、通ったとしても余分な脂質が落ちずに固い仕上がりになってしまいます。最初は低温で揚げて、片面がきつね色になったら、裏に返して火を強め、こちらは中温でささっと揚げてください。豚本体の脂が表面に出てきますので、キッチンタオルなどに上げて余分な脂をさらに落としてください。思った以上にさくさくっとして、また豚本来の甘味と旨味を兼ね備えた香りの良いとんかつが出来上がります。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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