料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.06.09

『万能つゆの素』

●暑くなってくると、昼食にうどんやそうめんなどの麺類をいただくことが多くなります。お昼ご飯ですから手軽にささっと作りたいけど、市販のつゆは添加物が多くてあまりおいしくありません。そこで今回は家庭で作れる濃縮タイプのつゆの素をご紹介。醤油とみりんを煮立ててかつお節でダシを取って作りますが、これが重宝。3〜5倍に薄めてめんつゆにするのはもちろんですが、青菜の卵とじの汁に使ったり、ごま油とお酢を混ぜてドレッシングにしたり、レモン汁を加えればおいしいポン酢醤油の出来上がり。すりごまに少量混ぜて青菜を和えれば手軽に胡麻和えも作れます。ちょっとした隠し味にもなりますので、常備しておくと本当に便利。ダシの味が濃いので、上品な煮物などにはおすすめできませんが、肉じゃがくらいなら使えるでしょう。市販のつゆより格段においしく、しかも無添加ですから安心です。ぜひ作ってみてください。
用意するもの(概略)
  • たまり醤油2カップ
  • みりん1カップ
  • 花かつお てのひらにひとつかみ
  • うどん
  • 薬味

一口メモ

●醤油とみりんを2:1で調理していますが、ご自宅でお使いのお醤油によっては、これではしょっぱい場合があります。その場合はみりんを多くしてみてください。ちなみにさん生家で使用している醤油は、湯浅の角長たまり醤油。普通のお醤油より濃く、甘味があります。よって出来上がりもかなり濃い感じですが、塩っ辛さはありません。おそばやさんでは醤油とみりんと砂糖を煮きった「かえし」と呼ばれるものを使用し、それをだし汁で伸ばしてつゆにしますが、この原理をほんのちょっと簡略化したのがこのつゆです。

作り方
  1. たまり醤油とみりんは2:1の割合で鍋に入れ、中火にかける。
  2. 鍋肌がふつふつと言ってきたところで、てのひらでひとつかみの花かつおを加え、箸でやさしく丁寧に全体に広げる。
  3. そのまま加熱して沸騰してきたら一呼吸置いて火を止め、箸でかつお節を全体に広げてから冷ます。
  4. かつお節が完全に沈むまで冷まして、濾し器にキッチンタオルや布巾を敷いて濾す。濃度が高いので、濾すのに時間がかかる。慌てずゆっくりと濾し、最後にかつお節を布巾ごとぎゅっと絞って出来上がり。びんなどに入れて冷蔵庫で保存。
  5. うどんなどのめんつゆに使用するときは3〜5倍に薄める。薬味を添えて卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●とにかく万能のつゆで、作っておくと重宝します。ただしダシが入っているので保存が利くと言っても2週間程度でしょうか。ですから今回作ったくらいの分量がちょうど良い感じです。めんつゆにはもちろんですが、ちょっとした煮物や卵とじ、すまし汁、ドレッシングの隠し味、和え物、ポン酢醤油等々、使い方はいろいろ。味が濃いなと思ったら水で薄めればOK。ぜひ一度おためしください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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