料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.11.02

『牛肉の竜田揚げ』

●かつては高級食材だった牛肉も、最近はずいぶんお安くなりました。特にオーストラリア産は国産豚肉よりも安く売られていて、古い価値観を見直さなければならないほど。でもね〜、オージービーフは国産牛に比べるとやっぱり固くて今ひとつ旨味に欠けるんですね。でもこれ、何かに似てるなと考えたら、そう、鯨肉にちょっと近い感じでは? というわけで昔懐かしい鯨の竜田揚げをイメージしつつ、ステーキ用のもも肉をこんな風に調理してみました。するとどうでしょう、あの固くてちょっと臭みのある肉がとってもやわらかくなって、しかも匂いも気にならず、思わずバクバク食べたくなる料理に変身。牛肉と言うより、赤身の魚を揚げたような味わいです。お弁当にもオススメのひと品。ご飯のおかずに、酒のつまみにもってこいですよ。
用意するもの(概略)
  • 牛ももステーキ用(オーストラリア産)約250g
  • ニンニク1片
  • 生姜1かけ(ニンニクと同程度の大きさ)
  • 塩・胡椒少々
  • 醤油大さじ1.5
  • 小麦粉大さじ1/2
  • 片栗粉大さじ1〜2
  • 揚げ油適宜
  • 付け合わせ用に水菜適宜、タマネギ1/2個

一口メモ

●衣は片栗粉だけでもいいのですが、小麦粉を加えることで余分な水分が吸い込まれ、カリッと上手に揚げることができます。油はやや高めの温度で揚げてください。牛肉なので、中までしっかり火を通す必要はありませんが、周囲がカリッとしていた方が美味しさが増します。温度が低いと衣が鍋肌にひっついてしまい、高すぎると醤油が焦げて失敗します。常に肉に取ってちょうど良い温度を考えながらこまめに火加減をしてください。

作り方
  1. 牛ももステーキ用肉は筋があれば筋切りし、固い部分は取り除いて一口大に切り分け、塩・胡椒少々を揉み込んで1〜2分置く。
  2. ニンニクと生姜はすり下ろす。
  3. 1の肉に2のニンニクと生姜、醤油大さじ1.5を加えて良く揉み込み、4〜5分置く。
  4. 肉に味をしみこませている間につけ合わせの野菜を用意する。タマネギは薄くスライスして軽く塩で揉んだあと流水でさらして水を切っておく。水菜は根を落とし、3〜4センチの長さに切っておく。
  5. 3の肉に小麦粉大さじ1/2をまぶして全体を混ぜ合わせ、さらに片栗粉大さじ1〜2をまぶす。
  6. 5を高温と中温の間くらい、やや高めの温度の油でカリッと揚げる。
  7. 4の野菜を良く混ぜ合わせて器に盛り、さらに揚がった肉を盛りつけて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●お弁当にはもってこいの料理ですが、ニンニクの匂いが気になる方は生姜だけで味付けしても結構です。醤油の分量は一応大さじ1.5となっていますが、お好みで調節してください。お弁当のおかずにするにはやや濃いめ、塩分が気になる方は薄めにするといいでしょう。ただ、醤油の分量が少なすぎると味がぼけますので、その点はよく加減を。最初は少なめに入れるようにし、味付けした段階でちらっとなめてみて、甘いようなら醤油を加えるようにするといいでしょう。今回はつけ合わせに水菜とタマネギを使用しましたが、キャベツの千切りなどでももちろんOK。箸の進むお料理です。ぜひお試しを。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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