料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.11.25

『タラモサラタ』

●最近はタラモサラダと呼ぶ人も多いようですが、正確にはタラモサラタ。元はギリシャ料理で、タラモサラタももちろんギリシャ語です。私がこの料理に出会ったのは結婚して間もない頃ですからもう25年も前。東長崎にアンドレアスさんというギリシャ人が経営する小さなレストランがあり、タラモサラタはバカヤロ(タラのフライ)などと並んでその店の定番メニューでした。説明するまでもなく、茹でたじゃがいもを裏ごしして、タラコと合わせたペースト状の料理で、当時はまだ一般に馴染みが薄く、“タラコペースト”という名称でメニューに加えているビストロなども多かった気がします。いわゆる前菜ですが、パンにつけて食べたり、ワインのつまみにしたり、ひと品あるととても便利。作り方も簡単で、見た目もちょっとおしゃれなので、パーティーメニューにもオススメです。ちなみにアンドレアスさんは、お嫁さんの故郷である山形へ引っ越していってしまいましたが、今もレストランをやってるのかな〜? 知ってる人がいたら、ぜひ教えてください。
用意するもの(概略)
  • タラコ2腹(約350〜400g)
  • じゃがいも中2個
  • 生クリーム250cc
  • レモン汁小さじ2
  • オリーブオイル大さじ3
  • 塩適宜
  • パプリカ適宜

一口メモ

●よく、マッシュしただけのポテトを使ったタラモサラタを見かけますが、裏ごしした方が断然美味しく出来上がります。理由はタラコのつぶつぶと、じゃがいものつぶつぶがきちんと揃うから。同じ粒子同士を混ぜるので口当たりが良くなり、味に深みが増すのです。ここは面倒がらずにぜひ裏ごしして作ってください。タラコの量はお好みで増減してもかまいません。タラコたっぷりの方がやはり美味しいのですが、手元にあまり量がなければ少なくてもそれはそれなりに美味しく出来上がります。最後の塩はタラコの塩気を加味して考えて加えてください。

作り方
  1. じゃがいもは皮を剥き、適当な大きさに切って鍋に入れ、ひたひたの水と塩少々を加えて火にかけ、竹串が通って、芯まで柔らかくなるまで茹でる。茹で上がったらザルにあげて湯を切り、あら熱を取ってから裏ごしする。
  2. タラコは皮から身を外す。
  3. 1の裏ごししたじゃがいもにオリーブオイル大さじ3、生クリーム250cc、レモン汁小さじ2、パプリカ適宜を加えてヘラでよく混ぜ、最後に2のタラコを加えてさらに混ぜ、味を見て足りないようなら塩を加えて調える。色味が悪いようならパプリカを多めに入れる。
  4. 器に盛って出来上がり。彩りにパプリカ少々をふりかけると見た目も綺麗に仕上がる。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●タラコを皮から外すときは、てのひらに1/2腹を載せてタテに切れ目を入れ、てのひらに載せたままスプーンやヘラでこそげ落とすと無駄なく外れます。絞り出してはいけません。絞ると無駄が多くなりますし、皮は薄いのであちこちプチプチ破れて扱いにくくなってしまいます。また生クリームはやや多めに入れた方が滑らかでやさしい味わいになります。パプリカは無理に入れる必要はありませんが、タラコの色味が足りないときは、赤みを足すつもりで使ってください。レモン汁は必須。小さじ2となっていますが、もう少し多くてもいいでしょう。味が引き締まります。ただ、多すぎると生クリームを固める結果になりますので要注意。あまり分量にこだわらず、適当に作っても美味しく出来上がります。お好みでオリーブオイルをかけてお召し上がりください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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