料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.02.15

『豚ヒレの赤ワインソース』

●今回はちょっとおしゃれにフレンチ風のひと皿。豚のヒレ肉をローストして、赤ワインのソースでいただきます。ヒレ肉はシンプルに塩・胡椒だけで味付けしますが、ソースの方はいろいろな野菜のエキスを加えてちょっと複雑な味わいに仕上げてあります。というわけなので、どちらかと言えばメインはソース。写真では別の器に盛りつけてありますが、肉の下に敷いてから、あるいは上からかけてから卓に供してもおしゃれ。美しいワイン色のソースが食欲をそそります。このソース、なかなかのスグレモノで、ケチャップ少々を加えてオムレツのソースにしたり、フライドポテトを食べたり、アレンジがききます。ただし油っぽいものにはあまり合わないようで、そこで今回も豚ヒレを使用。ちょっと入手しにくいのですが、鹿のフィレ肉などにもピッタリ。牛フィレのステーキにもオススメです。こんな技を一つ持っているだけで、食卓がぐっと華やかになるので便利ですよ。
用意するもの(概略)
  • 豚ヒレ肉固まりで250〜300g(写真は約1.5本分)
  • 塩・胡椒適宜
  • バター20g
  • 赤ワイン400cc
  • オリーブオイル少々
  • タマネギ小1個
  • ニンニク1片
  • ベーコンスライス2枚
  • 人参5センチほど
  • セロリ1本
  • エシャロット7〜8本
  • レモン汁小さじ1
  • 塩・胡椒適宜
  • つけ合わせにかぶ1かぶ

一口メモ

●豚のヒレ肉は、火を通しすぎると固くなるので要注意。ミディアムレアを心がけましょう。出来上がりは、切り口がやや桃色になっている程度に。これ以上火を通すとがちがちになってしまいます。また、表面に脂分が残っている場合がありますので、これは丁寧に取り除いてください。これを取り除かないでやくと、脂の部分だけがかちかちに固くなって歯触りが悪くなります。塩・胡椒をするときは、ちょっと多いかな? と思う位に。肉が上手に焼けない大きな理由に、塩の分量がうまく行っていないということがあります。減塩を心がけるあまりに塩をけちると、美味しい料理は食べられません。もちろんしょっぱくなってはいけませんが、想像力をたくましくして、出来上がりを思い描きながら、塩を振ってみてくださいね。また、ヒレ肉はさっぱりしているので、コクを出すために色づけにバターを使用しました。脂肪が気になる方はサラダオイルやオリーブオイルを使用しても結構です。

作り方
  1. まずソースを作る。タマネギ、ニンニク、人参、セロリ、エシャロットはみじん切りに。ベーコンは細切りにしておく。
  2. 炒め鍋を中火にかけ、オリーブオイル少々を引き、ベーコンを炒めて油を出した後、ニンニク、タマネギを加え、塩少々をふってさらに炒める。
  3. タマネギとニンニクにほどよく色が付き、水分が飛んで分量が1/2程になるまでじっくりと炒めたあと、人参、セロリ、エシャロットを加えてさらに炒める。
  4. 野菜に火が通り、しんなりしてきたら赤ワイン400ccを加えて、1/3程度の量になるまでじっくり煮詰める。
  5. 4が1/3程度の量になったらスープこしでこし、お玉の底を使って野菜のエキスを良く絞り出す。
  6. 濾したソースを小鍋に入れて弱火にかけ、塩・胡椒少々とレモン汁小さじ1を加えてさらに1/2量になるまで煮詰めて、最後に塩・胡椒で味を調える。
  7. 豚ヒレ肉は表面にある余分な脂分を丁寧に取り除く。また全体が同じ太さになるよう、余分な部位も取り除いて成形する。
  8. 7に塩・胡椒をよくすり込む。
  9. フライパンを中火にかけてバター20gを溶かし、焦げないうちに8の肉を入れて、両面にほどよく焼き色をつける。
  10. 9の肉を160度に熱したオーブンで10分ほどロースト。
  11. かぶは葉と根にわけ、根の方は櫛形に切り、葉はさっと湯がいて水に取る。
  12. 肉を炒めた後のフライパンを再度火にかけ、余分な油をキッチンペーパーで吸い取った後、かぶの根を炒めて軽く塩・胡椒。さらに葉も炒めて軽く塩・胡椒し、皿に盛りつけておく。
  13. ローストした肉を8ミリほどの厚さに切り分け、12の皿に盛りつける。
  14. 6のソースと共に卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●今回のポイントは何と言ってもソース。でも難しいことはありません。要するに野菜をじっくり炒めて赤ワインで煮込んだものをこしただけ。ただ、炒めるのにはかなり根気が要ります。ニンニクとタマネギは焦がさないように常に火加減に気を配り、できれば飴色になるまでじっくりと炒めてください。タマネギが飴色になってから、他の野菜を入れます。セロリや人参にもしっかり火を通してください。全体がしんなりしたら赤ワインを加えてコトコト煮詰めます。ときどき浮いてきたアクを取り除き、全体をかき回してください。煮詰まったら越しますが、このときに野菜のエキスもしっかり絞り出すのが美味しい味を作るコツ。お玉の底を使ってぎゅーっとしぼってください。濾したソースはさらに煮詰めます。煮詰める前に軽く塩・胡椒とレモン汁を加え、ちょっと味見してみてください。美味しいソースのイメージが湧いてきます。煮詰まったらまた味見をして最後に味を調えれば出来上がりです。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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