料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.02.22

『新ごぼうのポタージュ』

●春になり、新ごぼうが出回るようになりました。今回はその新ごぼうを使ったポタージュをご紹介。ベシャメルソースは使用せず、ごぼうのデンプン質だけでとろみをつけてありますので脂分の摂りすぎが気になる方には特におすすめです。フードプロセッサーでピューレにし、あえて裏ごしはせずに、つぶつぶを多少残して作りましたが、その分繊維質はたっぷり。お腹の調子が気になる方にもうれしいひと品です。味の方は、ごぼうの香りが何とも言えず美味。仕上げに生クリームを加えて口当たりを良くしており、咀嚼に難のある方でも安心してお召し上がりいただけます。ということはもちろん離乳食にもぴったり。春ならではの新ごぼうの香りを、ちょっぴり趣向を変えてお楽しみください。
用意するもの(概略)
  • 新ごぼう(やや細めのもの)7〜8本
  • 水適宜
  • 牛乳120cc
  • 生クリーム125cc
  • 水400cc
  • コンソメキューブ2個
  • 塩・胡椒適宜

一口メモ

●さして手間はかかりませんが、とろみをつけるのに時間はかかります。今夜のメニューはこれと決めたらまずこのポタージュを仕込み、煮込んでいる間に他の料理をすると、ちょうど良い按配に出来上がると思います。ベシャメルソースやバターを使用していない分、さらりとした喉越しで思ったよりさっぱりしているスープです。新ごぼうはアクが少ないので、あく抜きせずにそのまま茹でて使用します。皮ももちろん剥きません。皮の部分に一番香りがあるので、剥いてしまうと美味しさが半減してしまいます。なお、どうしても舌触りを滑らかに仕上げたい方は、裏ごししても結構です。

作り方
  1. 新ごぼうは洗って葉の部分を落とし、4〜5センチの長さに切って鍋に入れ、たっぷりの水と塩少々を加えて火にかけ、竹串が通って柔らかくなるまで茹でる。
  2. ごぼうに火が通ったらザルに取り、あら熱を取る。
  3. あら熱を取ったごぼうに牛乳120ccを加えてフードプロセッサまたはミキサーにかけ、ピューレ状にすりつぶす。
  4. 3を鍋に入れ、水400ccとコンソメキューブ2個を加えて弱火にかけ、とろみが付くまでコトコト煮込む。
  5. スープにとろみが付いたら、仕上げに生クリーム125ccを加えてよく混ぜ、塩・胡椒で味を調え、沸騰する直前に火を止めて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●ごぼうのスープだなんて、「え?」という人もいらっしゃるでしょうが、これがことのほか美味。一度味わうと病みつきになります。写真ではただ白いだけのスープに見えますが、実際にはごぼうの黒っぽい繊維がポツポツうと浮いて、味わい深い色合いです。一口啜れば広がる春の香り。これがたまりません。今回は牛乳の量をぐっと控え目にしてありますが、もっとコクがほしいという方は水400ccのうち、半量に牛乳を使用してもいいでしょう。いずれにせよ、仕上げの生クリームは欠かせません。この生クリームのマジックで、味がぐっと引き立つのです。但し、加え方には要注意。沸騰しているスープに加えたり、入れたあとに沸騰させたりすると、分離してしまうことがあるのです。加えたらよく混ぜる、沸騰する前に火を止める、この二点を忘れずに。なお、コンソメキューブの数はお使いの製品によって増減してください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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