料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.03.21

『鶏ささみと水菜の韓国風和え物』

●動物性タンパク質は摂りたいけど、脂っぽいものはいやだな〜と思いながら、スーパーで鶏のささみを眺めているうちにひらめきました。これと水菜をごま油でナムル風に和えたらさぞ美味しいに違いない。というわけで早速作ってみたところ、これが思った以上に美味。味付けは塩とごま油だけなのに、一体どこにこの旨味が隠されていたのか、と思うほどです。ささみは塩をして酒蒸しにしてあるので、ここで鶏の旨味がぎゅっと凝縮され、その淡泊な味わいとごま油の香りが絶妙のバランスを生んだのかもしれません。味わいが軽く、しゃきしゃきとした水菜の歯ごたえも楽しく、幾らでも食べられるひと品。たくさん食べてもカロリーをあまり気にする必要がないのもうれしいところ。とにかく一度お試しあれ。どんなお酒にもバッチリですよ。
用意するもの(概略)
  • 鶏ささみ2本(100〜120g)
  • 水菜約100g
  • ささみの酒蒸し用に塩小さじ1.5
  • 日本酒適宜
  • 味付け用に塩小さじ1/2
  • ごま油大さじ1

一口メモ

●最終的な味付けには塩をほんのわずか(小さじ約1/2)しか使用していません。ささみを酒蒸しにするときにしっかり味をつけておけば、最後の塩はなくてもいいくらい。ただ、最後の塩がないと水菜の旨味は引き立ちませんし、味は半減。ちょっとしたおまじないのつもりで、必ず加えてください。和える際には、お箸でササッと混ぜるだけでも美味しいのですが、手を使ってざっともむように混ぜると皿に美味しく仕上がります。おまじないの塩とてのひらという、何ともはや非科学的なポイントですが、実際に作ってみればその違いは歴然。それだけ素朴な料理ということなのでしょう。

作り方
  1. ささみは全体に塩(小さじ1.5)をして耐熱容器に入れて2〜3分おいたのち、日本酒をひたひたにかけてさらに2〜3分おき、ふたをして電子レンジ(700ワット)で3分加熱。レンジから取り出し、ふたをしたまま冷めるまで放置する。
  2. 水菜は根の部分を落として4〜5センチの長さに切り、冷水でざっと洗ってしゃきっとさせたあと、水気を良く切っておく。
  3. 1のささみが冷めたら細かくむしる。
  4. ボウルに3のむしったささみと、2の水切りをした水菜を入れ、塩小さじ1/2、ごま油大さじ1を加えて軽く手でもむように和える。
  5. 器に盛りつけて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●味付けはごくシンプル。それだけに調味料にはこだわりたいもの。塩は甘味のある天然塩、それも細粒タイプを使用。粗塩では塩辛さが立ちすぎて美味しく出来上がりませんし、水菜に対しても刺激が強すぎて、くたっとなってしゃきしゃき感が失せてしまいます。作り方は至って簡単ですが、かなりデリケートな味付けだと思ってください。また、ごま油もできればグレードの高いものを使用した方が美味しく仕上がります。今回使用したのは、玉締めと呼ばれる昔ながらの製法で、ゆっくり絞った高級ごま油。さらっと軽く、しかも香り豊かで、脂のいやらしい匂いが一切ありません。少し大袈裟かもしれませんが、これならそのまま飲んでもいい、と思うくらいの逸品。一度使うとくせになります。とにもかくにもこの料理、シンプルですが、作ってみるととても説得力のある旨さです。どうぞお試しになってみてください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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