料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.05.23

『夏野菜のベーコン炒め』

●本格的燻製機を導入し、最近は自家製のベーコンを料理に使っています。今週はそのベーコンを夏野菜と炒めたひと品。野菜は茄子、クレソン、トマトを使用。クレソンの香りと苦味、そしてトマトの酸味が何とも言えず爽やかです。もちろんメタボ対応のために油は最小限。テフロン加工のフライパンを使ってベーコンをじっくりと炒め、にじみ出た油を使って野菜を炒めてあります。自家製ベーコンは市販のものより脂分が少ないので、野菜を炒めるときはほんの少し塩を加え、野菜の中にある水分を使って火を通します。もちろん市販のベーコンを使っても結構ですが、なるべくスライスしていないものを使用し、大きめにカットするとおいしく出来上がります。シンプルな炒め物ですが、ビールのつまみや朝食のおかずにピッタリです。ぜひお試しください。
用意するもの(概略)
  • ベーコン固まりで80g
  • ニンニク一片
  • 茄子1本
  • トマト1個
  • クレソン3〜4本
  • サラダオイル少々
  • 塩・胡椒適宜

一口メモ

●テフロン加工のフライパンを使えば、サラダオイルもいらないような気がしますが、やはり呼び水は必要。ほんの少量の油が油の呼び水になって、スムーズにベーコンを炒めることができます。焦げ付きの防止にもなるので、無駄なようでも少量の油を使うことをおすすめします。自家製のベーコンは脂分が少ないのですが、その分いやな焦げ方をしないのが長所。じっくり炒めればすぐにカリカリになります。市販のものを使用するときも、添加物のない固まりのベーコンがおすすめです。通常売られているベーコンには人為的にタンパク質が注入してあるそうで、それがどうやらちゃんとカリカリにならない理由のよう。ちょっと値が張っても、良いベーコンを使った方が美味しいし失敗もありません。お試しください。

 

作り方
  1. ベーコンは1センチ厚さ程度にざくっと切る。ニンニクは薄くスライス。茄子はヘタを取って縦半分に切ったあと横1/2に切り、5ミリ程度の厚さでタテに切る。トマトはへたを取ってざく切り。クレソンは葉と茎の部分を分け、葉の部分は手で食べやすい大きさにちぎり、茎は包丁で2〜3センチの長さに切っておく。
  2. テフロン加工のフライパンを弱火にかけ、サラダオイルをほんの少々入れたあと、ベーコンをゆっくり炒める。
  3. ベーコンから油が出てきたら少し火を強め、ニンニクを入れてさらに炒める。
  4. ニンニクにやや色がついてきたところで、茄子を入れて炒める。茄子はすぐに脂分をすってしまうので、少量の塩を振りかけて茄子本体から水分を出し、しんなりするまで炒める。
  5. 茄子に火が通ったら火を強め、トマトとクレソンの茎を入れて炒め、塩・胡椒で味を調えたあと、仕上げにクレソンの葉を入れて全体をざっと混ぜ合わせれば出来上がり。
  6. 皿に盛りつけて卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●茄子はすぐに油を吸ってしまうので、うっかりすると無駄に焦げるので要注意。そこで塩の登場です。どんなレシピでもたいてい塩・胡椒は最後に入れるだけですが、野菜を炒めるときは基本的に必ず少量の塩を加えると野菜から水分が出て失敗がありません。茄子にもちょっと塩を振りかけ、当人の水分で火を通すようにしましょう。仕上げのクレソンの葉のところでも、できればほんのちょっと塩を振りかけてあげると仕上がりが早くなります。まさにソルトマジック。加えると入ってもぱらりとひとつまみですが、あるとないとでは大違い。塩を自在に使いこなせるようになれば、どんな料理も美味しく作れるようになります。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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