料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.07.25

『冬瓜の冷やし鉢』

●夏、冬瓜の季節がやってきました。やっぱりこれを食べないと、何となく夏が来たという感じがしません。温かい煮物も美味しいのですが、今回は冷蔵庫でしっかり冷やした冬瓜の煮物に、夏野菜とそうめんを合わせて冷やし鉢にしつらえてみました。温かい煮物と違って、冷たい煮物は香りが立ちにくい分、味がわかりにくくなるので、味付けはしっかり。煮物には通常二番出しを使いますが、香りの良い一番出しを使い、みりんと塩を使ってやや濃いめに味を付けます。さらに香りをつけるため、仕上げにダシ醤油をほんの少し。このダシ醤油も自家製のものを使用しました。何となく食欲がないな〜というときに、爽やかな冬瓜と冷たい喉越しはありがたいもの。冷酒など傾けながら、ゆったり召し上がってください。
用意するもの(概略)
  • 冬瓜(小1/2 通常の大きさの冬瓜なら1/4程度)
  • 一番ダシ1.5カップ
  • みりん30cc
  • 塩小さじ2
  • ダシ醤油(醤油とみりん1:1を煮切り、厚削りかつおでダシを取ったもの)小さじ1
  • オクラ2本
  • アスパラガス適宜
  • そうめん適宜
  • 茗荷の千切り少々

一口メモ

●今回使った冬瓜は、児玉スイカ並みに小さなものでした。その小さな冬瓜の半分を煮ましたが、一般的な冬瓜はその三倍はあるでしょうか。ラグビーボウルよりやや大きい程度ですので、使用するのは1/4ほどで十分でしょう。冬瓜はそのまま保存すると冬までもつので冬瓜と言いますが、一度切ってしまったら案外足が速いので、さっさと使ってしまうようにしましょう。

 

作り方
  1. 冬瓜は種を取り、食べやすい大きさに切って皮を剥き、面取りしておく。
  2. 鍋に1の冬瓜と一番だしカップ1.5を入れて火にかける。沸騰してきたらみりん30ccと塩小さじ2で味付けし、落としぶたをしてとろ火で20分ほど煮込む。
  3. 仕上げにダシ醤油小さじ1を加えて全体に馴染ませたのち、火から下ろし、あら熱を取り、保存容器に移して冷蔵庫で良く冷やす。
  4. オクラは塩で板ずりしたあと軽く茹でてヘタを取っておく。アスパラガスは適当な長さに切って茹でておく。そうめんも茹でておく。
  5. 器に冷やした冬瓜とそうめん、アスパラ、オクラを盛りつけて汁を張り、そうめんの上に千切りの茗荷をあしらって出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●今回仕上げに使用したダシ醤油は、みりんと醤油1:1を鍋に入れ、一度煮切ったあと、火を少し弱めにして厚削りかつお節を入れて3分ほど煮出して作りました。かつお節が沈んだら濾し器で濾して、冷蔵庫で保存します。冷や奴やおひたし、そうめんつゆなどにも活躍します。もちろん市販のダシ醤油を使っても結構ですが、自家製なら安心ですし、化学調味料のいやな味がないのでとても美味しく感じます。ダシを取ったあとのかつお節は、電子レンジで2分ほど加熱したあと、あら熱を取ってからフードプロセッサで細かくし、胡麻を混ぜてふりかけにします。これがまた、冷や奴などにも使えて便利。一度お試しください。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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