料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.08.15

『豆腐の梅酢漬け』

●今年も美味しく梅が漬け上がり、土用干しも無事済んで、梅酢がたっぷり取れました。梅酢は野菜を漬け込むなど重宝しますが、今回は豆腐をつけ込んで、ちょっとした珍味を作ってみました。作り方は至って簡単で、豆腐をよく水切りし、梅酢に漬けるだけ。梅酢は梅干しの副産物で、梅の香りと酸味はもちろん、赤ジソの香りと色も楽しめます。梅をつける時期(6月頃)にはスーパーなどに出回ることもあるようですが、梅を漬けないご家庭では、一般には入手しにくいかもしれません。ただ検索すると多少商品として売られているものもあるようです。市販のものは恐らく家で作るものよりマイルドではないかと思います。家で作った梅酢は色も濃く、味も濃い目。でもそこに淡泊なお豆腐をつけ込むと、これがなかなか面白い風味に。酒のつまみとしてはもちろん、ご飯のおかずにも美味しく、また口がさっぱりするので、食欲がないときなどにも最適です。
用意するもの(概略)
  • 豆腐1丁
  • 梅酢適宜

一口メモ

●豆腐の水切りは、まず電子レンジを使い、さらに重しをして行います。豆腐の厚さが半分ほどになるくらい、十分に水切りします。つけ込むときは適当な大きさに切り分けますが、薄切りにすることを考えて、大きさを決めてください。今回写真に写っているのは八等分程度に切り分けて漬けたものですが、水切りをして薄くなった分、厚みが少なく、もう少し大きくても良かったかな、と思っています。ただ、この程度の大きさだと、爪楊枝で適当につまむことができるので、食前酒に添えてチーズ代わりに食べるにはちょうど良い大きさです。

作り方
  1. 豆腐は厚めのキッチンタオルに包んで皿の上に置き、電子レンジ(300w)で3分加熱したあと、包んであるキッチンタオルを取り替えて、バットなど平らなものを上に置き、その上からさらに水を張ったボウルなどをおいて2〜3時間十分に水切りをする。途中、皿に水がたまるようなら捨てて、キッチンタオルを取り替える。気温の高さが気になるようなら、水切り中も冷蔵庫で。
  2. 十分に水切りした豆腐を適当な大きさに切り、保存容器に入れ、全体が漬かるように梅酢を加え、ふたをして冷蔵庫で1〜2日以上つけ込む。
  3. 薄切りにして皿に盛りつけ、卓に供する。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●梅をつけないご家庭には、梅酢は馴染みの薄い食材かもしれませんが、ちょっとあると重宝します。軽く塩でもんだきゅうりや茄子を漬け込むと、しば漬け風の漬け物になりますし、薄切りにした新生姜をつけ込んでおくと、お寿司のお供になります。塩気がやや気になりますが、水で薄めて飲むと夏負けに利くとも言われており、昔ながらの知恵が詰まった食材だと思います。もし手にはいるなら、ぜひご活用くださいませ。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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