料理と器:杉江保枝

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DATE:
2008.03.13

『吟醸酒粕の炭酸まんじゅう』

 

●しつこい、と言われそうですが、今週も吟醸酒粕を使ったひと品をご紹介。炭酸まんじゅうは北関東の郷土料理で、栃木や群馬の出身者なら必ずといっていいほど食べたことがあるのではないでしょうか。取り立てて特別なものではありません。小麦粉と重曹(すなわち炭酸水素塩)を使った蒸しまんじゅうです。普通は中にあんこを入れることが多く、また、何も入っていない炭酸まんじゅうに砂糖をつけて食べることもあるようです。今回は吟醸酒粕に生クリーム、それにチーズを混ぜ込んだあんを使用。一風変わった味に仕上げてみました。甘味は極力抑えてあるので、さっぱりした仕上がり。重曹の多少苦味のある風味が特徴で、小腹が空いたときなど重宝します。作り方は簡単で、しかも短時間で作れるのもうれしいところ。正直言って格別に美味しいものでもないのですが、田舎のひなびた味わいは、どこか懐かしさを感じさせます。

 

用意するもの(10個分・概略)
  • 薄力粉300g
  • 牛乳100cc
  • 卵1個
  • 重曹10g
  • 砂糖50g
  • 生クリーム大さじ3
  • 吟醸酒粕大さじ3
  • ナチュラルチーズ100g
  • 打ち粉(薄力粉)適宜

一口メモ

●またもや酒粕ですか、と言われそうですが、またもや酒粕です。酒粕と言えば酒まんじゅう、というわけで、最初は記事に練り込んでみたのですが、どうも今ひとつ。重曹の香りがいけないのか、蒸すときに高温になって酒が飛んでしまうのか、風味がなくなってしまいました。いろいろ考えた挙げ句に、あんに使うことに。どうせなら洋風にしようと生クリームを加え、ついでにチーズも入れてみたら、案外な美味しさでした。特別な料理という感じはしませんが、ちょっとしたデイリーのおやつには最適です。

作り方
  1. ボウルに薄力粉300g、重曹10g、砂糖50gを入れ、全体を良く混ぜ合わせておく。
  2. すり鉢に吟醸酒粕大さじ3と生クリーム大さじ3を入れて良くすり混ぜ、チーズ100gを加えてあんを作っておく。
  3. 1とは別のボウルに卵1個を割り入れ、牛乳100ccを加えてよく混ぜる。
  4. 1に3を少しずつ加え、初めは木べらなどで着るようにさっくりと混ぜ合わせ、しっとりしてきたら手で揉むようにして全体を馴染ませる。
  5. 4を打ち粉をしながら八等分して丸めたあと、5センチほどに広げ中心に2の案を入れてから底を閉じ、打ち粉をまぶしておく。
  6. 蒸し器を沸騰させ、8センチ各程度のオーブンシートの上に置いた5(こうすると底がくっつかない)を並べる。大きく膨らむので、間を空けて、2〜3度に分けて蒸すと良い。
  7. 並べたら火を弱め、柔らかい蒸気が出ている程度の温度で約10分加熱する。障ってみて弾力があれば蒸し上がり。暖かいうちでも、冷めてからでも美味しく食べられる。固くなったら蒸し直すか、電子レンジで加熱すると良い。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●中身は酒粕じゃなくても、もちろんかまいません。まんじゅうと言えばやっぱりあんこが一番でしょう。こしあんでも粒あんでもお好きなものを選んで中に入れると、田舎風の懐かしいおまんじゅうができあがります。農家では仕事の合間にちゃちゃっと何十個も蒸し上げて、みんなで食べるそうです。卵を入れないレシピもあるのですが、入れた方がやはりふっくら仕上がります。なお、皮が薄茶色なのは、重曹によるものです。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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