器:杉江保枝

FILE17

DATE:
2005.01.01

『梅酒風味の煮豚と中華風煮玉子』

●さん生家のおせち料理には欠かせない煮豚と煮玉子です。煮豚は砂糖やみりん、酒を使う代わりに梅酒をたっぷりと使って作ります。梅の香りがほんのりとついて、香ばしい出来上がりになります。また、熟成された梅酒の甘みは上品で奥深く、コクがあるのにさわやかな風味が味わえます。煮玉子はごく簡単に市販の中華スープと醤油で煮ます。ゆで卵を煮るわけですが、煮すぎると固くなってしまいますので、ちょっと火を通す程度で後は煮汁に漬けておきます。イクラを添えるとこれまた美味。煮豚も煮玉子も冷蔵庫で三、四日はもちますから、おせちに飽きたらラーメンの具材として食べるのもまた楽しみです。こちらもぜひ一度お試しください。
用意するもの(概略)

梅酒風味の煮豚

  • 豚もも肉(かたまりで600〜650g)
  • 梅酒1カップ
  • 醤油1/2カップ
  • だし汁1.5カップ
  • 米ぬか少々
  • 粗塩少々

中華風煮玉子

  • ゆで卵6個
  • 中華スープのもと
  • 醤油
  • イクラ適宜

一口メモ

●豚の下処理は角煮のときと同じようにします。米のとぎ汁か米ぬかを使ってあくと油を抜きます。梅酒は出来れば自家製のものを。今回使用したのは15年前のもの。あまりにも濃いので、最近のものと半々に合わせて使いました。甘みと醤油のバランスは、お使いになる梅酒の甘さを考えて調節してください。だし汁は水でも構いません。水でも十分に美味しく出来ますが、そこでだし汁を使うところが、より美味しく作る秘訣です。今回はカツオだしを使用。自然のうまみと自然の甘み、そして自然の梅の香りが香ばしい一品です。

●煮汁を煮詰めてツメにするのもお忘れなく。この他、白髪ネギなどを添えても美味しくいただけます。

作り方

梅酒風味の煮豚

  1. 豚もも肉の固まりはたこ糸等で整形する。煮豚用に市販されているネット付きのものでも可。
  2. 1の肉に粗塩をよくすり込み、10分おく。
  3. 圧力鍋に2の肉を入れ、全体がかぶるように水を加え、さらに米ぬかひとつまみを入れて火にかける。最初は強火で、重りが回ったら火を弱めて15分加熱し、火を止めたら10分放置する。
  4. 圧力鍋のフタを取り、肉を取り出して流水であくを洗い流す。洗った肉はキッチンペーパーを敷いたバットに取り、余分な水分を取る。
  5. 4の肉を再度圧力鍋に入れ、梅酒1カップと醤油2/1カップ、だし汁1.5カップを加える。だし汁がなければ水でもよい。
  6. 5の鍋を強火にかけ、重りが回ったら20分加熱。火を止めたらそのまま30分放置する。
  7. 30分たったらフタを取り、中の肉を裏返してさらに30分放置する。
  8. 全体にまんべんなく色が付いたら、肉を取り出し、ホイルやラップに包んで冷蔵庫で冷やす。
  9. 煮汁は一度漉した後、小鍋にとって軽くとろみが出るまで煮詰めてツメにする。
  10. 皿に盛りつけ、9のツメと溶きがらしを添えて出来上がり。

中華風煮玉子の作り方

  1. ゆで卵を鍋に並べ、ひたひたの水を加えて火にかける。
  2. 煮立ってきたら中華スープのもとと醤油を加えてさらに加熱。味は濃いめにするのが美味く作るコツ。5〜6分加熱したら火を止め、あら熱を取って保存容器に汁ごと入れて冷蔵庫で冷やす。
  3. 半分に切って盛りつけ、イクラを添える。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●煮玉子はゆで卵を濃いめの中華スープで煮るだけの簡単調理。普段から作りつけておくと、ラーメンの時などにも便利です。おかずやつまみにするならぜひイクラと合わせてみてください。イクラは今回は塩漬けを使っていますが、出来れば醤油漬けの方が相性はいいようです。

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