器:杉江保枝

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DATE:
20045.12.03

『大根と鶏手羽先の煮物』

●最近の宴会メニューで一番人気なのがこの煮物。鶏の手羽先をそのまま使って大根と一緒に炊き合わせます。ちょっとしたひと手間で肉はとろとろに。箸の先で軽く裂くだけで中の骨が取れてしまうほど。骨付き肉を使用していますから旨味もしっかり抽出されて、あっさりした味付けながらスープには何とも言えないうまさとコクが感じられます。もちろん大根にも十分お味が染みて、上品なおでんを食べているような味わい。汁は冷めるゼリー状の煮こごりになり、これがまたあつあつの御飯に良く合います。コラーゲンもたっぷりでお肌にも嬉しい一品。病みつきになる美味しさをぜひ一度ご堪能ください。

用意するもの(概略)
  • 大根1本
  • 鶏手羽先600〜700g
  • だし汁800cc
  • 酒100cc
  • みりん100cc
  • 塩小さじ1.5
  • 醤油小さじ1
  • 肉の下ごしらえ用に、塩と酒適宜
  • 大根のあく抜き用に米のとぎ汁、または米数粒と水、または米ぬか少々と水

一口メモ

●以前紹介した『大根と鶏、厚揚げの煮物』と作り方の基本は一緒です。一番のポイントは鶏肉の下ごしらえ。煮物にするときはここが肝心です。必ず肉全体に塩をし、酒をふって十分以上おいてから煮込みましょう。こうすることで肉が芯まで柔らかくなり、とろとろの舌触りが楽しめるようになります。下ごしらえの塩はやや多めに。よく揉み込んでから酒をふるといいでしょう。あまり塩が多いと味付けに響きますが、味を付けるときは分量の塩を一遍に入れるのではなく、味見をしながら少しずつ加えていけば失敗はありません。醤油を加えるのは味にまろやかさとコクを出すためです。こちらの分量も、よく味見をしながら調節するようにしてください。

作り方
  1. 大根は2センチ程度の厚さに輪切りにし、やや厚めに皮を剥き、さらに1/2の半月型に切りそろえ、周りを丁寧に面取りする。
  2. 鶏手羽先は全体に塩をふり、酒をひたひたにかけて十分以上おく。
  3. 大根のアクを抜く。たっぷりの米のとぎ汁、またはたっぷりの水に米数粒、またはたっぷりの水に込めぬか少々を用意し、大根を入れて火に掛ける。沸騰してきたら中火に落として、大根に竹串がすんなり入るまで十分に茹でる。茹で上がったら水に取り、流水を使って周りに付いたアクを丁寧に洗い流し、余分な水分を切っておく。
  4. 鍋に3の大根と2の手羽先肉を入れ、だし汁800ccを加えて火に掛ける。沸騰してきたら丁寧にアクをすくい、酒100ccとみりん100ccを加える。再び沸騰してきたらまたアクを丁寧にすくい、アルコール分を十分に飛ばしてから塩小さじ1.5と醤油小さじ1を加え、落としぶたをし、弱火で30分から1時間ほど煮込む。
  5. 煮上がった煮物の味を見て、足りないようなら塩で調節する。そのまますぐに食べられるが、半日ほど放置した後、再び火に掛けるとより一層美味しく仕上がる。
  6. 器に盛りつけて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●大根のあく抜きはしっかりと。煮込むのだからさっとやればいいとお思いの方が少なくないようですが、ここでしっかり火を通しておかないと、味が染みていきません。必ず竹串が通るまでしっかり火を通し、水で丁寧に洗い流してから煮物にしましょう。苦味も抜けて、甘味のある大変上品な大根の煮物に仕上がります。味付けとしては、全体の分量から見ると、酒とみりんが多めで、塩気が少な目になっています。酒とみりんは甘味の他に、肉を軟らかくする役割があります。骨付き肉を使っているので、煮込めば煮込むほどスープにコクが出ますので、あまり塩気がなくてもとても美味しく感じます。スープにはコラーゲンがたっぷり。冷めるといわゆる煮こごりより柔らかめのゼリー状になり、これはこれだけで御飯のおかずになるほど。ぜひお試しを!

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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