料理と器:杉江保枝

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DATE:
2007.07.06

『山形のだし』

●「だし」は山形の郷土料理で、夏野菜を細かく刻んで醤油につけたものです。実は実際に山形でこれを食べたことは一度もなく、噂に聞いているばかりだったのですが、なぜか近所のスーパーに売っているのを発見。買って食べたらなるほどおいしい。でもどこか今ひとつなんですよね。そこで、やはり自分で作るのが一番というわけで、さん生家風にアレンジしてみました。つまり正確には「さん生家風だし」ということになります。この「だし」、暑さで食欲が落ちたときなど、ご飯が進みますし、冷や奴の上に乗せてもとても美味。もちろんそのまま酒のつまみにもなり、しかも野菜がたっぷり摂れるので健康にも良さそう。数日は作り置きもききますので、たくさん作って毎日の食卓に上らせてみてはいかが? なお基本はきゅうりとなすとみょうがですが、ピーマンやゴーヤ、オクラなどを加えてもなかなかの味です。
用意するもの(概略)
  • きゅうり2本
  • なす2本
  • ピーマン1個
  • みょうが3本
  • 5%の塩水適宜
  • 切りこぶ10g
  • だし汁1カップ
  • 醤油1/2カップ

一口メモ

●使用する野菜の基本はきゅうりとなすとみょうがです。どれも細かく刻むのが特徴。今回はそこにピーマンの苦味を加味してみましたが、他にオクラを加えたり、ゴーヤを加えたり、さまざまな夏野菜でアレンジが可能です。オクラを加えると粘りが出て、また違った味わいになります。最初に塩水につけますが、5%程度の塩水はなめると結構しょっぱいもの。ただ、ここで塩をけちると色も悪くなり、おいしくできませんので、この課程は必須です。なお、みょうがは香りを生かしたいので、塩水にはつけません。

作り方
  1. きゅうりとなすは2〜3ミリ角になるよう細かく切る。ピーマンとみょうがも細かく刻む。
  2. 1の野菜のうちみょうが以外(なす・きゅうり・ピーマン)を5分以上塩水につける。塩水は5%程度のものを。なめるとしょっぱいくらいがよい。
  3. 切りこぶはさっと水に通して少しふやかしてから細かく刻む。包丁がきかないようなら挟みでざくざくと切ってもよい。
  4. 塩水につけておいた2の野菜をザルにとって余分な水気を切り、みょうが、3の切りこぶと共に保存容器に移して全体をよく混ぜ合わせ、だし汁1カップ、醤油1/2カップを合わせたものにつけ込む。一晩冷蔵庫で寝かせて出来上がり。

※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。

一口メモPart2

●刻んで塩水につけた野菜は最後にだし汁と醤油につけ込みますが、市販のダシ醤油を使っても結構です。また、以前にご紹介した『万能つゆの素』でもOK。ただし、多少味が濃くなりますので、濃度は調節してください。切りこぶをたっぷり入れると粘りが出て、おいしくなりますが、この分量もお好みで。さん生家ではさっぱり好みなので、こぶはほどほど、醤油よりだし汁の方の分量を多くして、あっさりした味わいに仕上げてあります。各家庭でそれぞれ味があるようなので、皆さんもご自身でいろいろとアレンジして作ってみるといいでしょう。

※このレシピは『柳家さん生公式サイト・さん生さんちの台所』の中にある、「今週のおもてなし料理」のコーナーで紹介された料理を詳しく紹介したものです。無断転載などはかたくお断りいたします。ご意見、ご希望、ご質問などがございましたら、メールにてお知らせください。(調理とレシピ=杉江保枝)
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