用意するもの(概略)
- 豆腐1丁400g
- ヤマイモすり下ろしたもの大さじ2
- 卵1個
- 干し椎茸2枚
- 生ひじき大さじ1
- 銀杏8個
- むき海老8尾
- 揚げ油適宜
一口メモ
●飛竜頭は関西系の方言で、東京では「がんもどき」。ひりょうず、ひりゅうず、ひろうすとも呼ばれます。もともとはお寺の精進料理から発したもので、中に入れる具は基本的には野菜のみ。たいていはひじきと銀杏、それにゴマが入ってるようです。今回は干し椎茸を使って旨味をアップし、エビを入れて少し贅沢に仕上げてみました。一番面倒なのは豆腐の水切りでしょう。まあ、丁寧にやるなら、斜めにしたまな板に置いて上から重しをし、じっくり水切りするのがいいのでしょうが、さすがにそれはちょっと大変。なので最初は電子レンジを使って水切りをします。電子レンジはお使いの機種によってワット数も違いますので、一概には言えませんが、300ワットで3〜4分、600〜700ワットしか設定できない場合は1分30秒程度加熱すれば十分かと思います。キッチンタオルにくるんで加熱し、加熱が終わったらそのキッチンタオルを外して、新たに包み込んで時間をおけば簡単に水切りできます。さらに布巾に包んで絞って余分な水を切り、タネに仕上げていきます。布巾で絞るときはザルを使うと便利。腰高のものを用意し、布巾で絞った豆腐をぐいぐい押しながら水切りします。
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作り方
- 干し椎茸は水で戻す、石突きを取ってみじん切りにしておく。
- 豆腐1丁は厚めのキッチンタオルにくるんで皿に載せ、電子レンジ(300W程度)に3〜4分かけて水を切る。電子レンジから取り出したら、新しいキッチンタオルにくるんで温度が冷めるのを待つ。
- 腰の高いザルに一度湿らせてきつく絞った布巾を広げ、温度が冷めた1の豆腐を中央に置き、ぎゅうっと絞って水を抜く。口を絞って全体を絞るが、ザルを利用して上からぐいぐいと押すようにすると手間が早い。正し、あまり強く押すと口から豆腐が出てくるので要注意。
- 3の豆腐をすり鉢に入れ、すり下ろした山芋大さじ2と玉子個を加えてすりこぎで良くすり混ぜる。
- 全体がよく混ざったら、1の干し椎茸、生ひじき大さじ1を加えてさらによく混ぜる。
- 出来上がったタネは八等分する。八等分で直径6〜7センチの飛竜頭ができる。もう少し大きくしたいときは等分数を少なくする。
- 手水をつけながら成形する。八等分したタネを手に取り、軽く丸めて真ん中をへこませ、むき海老と銀杏をそれぞれ1ずつ入れて包み込み、空気を抜くようにして形を作る。
- 揚げ油を中温に熱し、成形したタネをそっと入れ、片面が固くなったら丁寧に裏に返し、色よく揚げる。
- 両面が揚がったら出来上がり。
※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。
一口メモPart2
●以前ご紹介した自家製がんもは、つなぎに高野豆腐を粉にしたものと卵を使い、すり鉢で擦ることもなく手軽に作っています。これはこれでとても美味しく、揚げたてを塩でいただくと上品なつまみになり、しかも簡単にできるので一度作ると病みつきになり、日を置かずにまた作ったりしていました。家の近所で評判の豆腐屋さんのがんもも、こんな雰囲気です。しかし今回、あれでは周りが粉っぽい感じに仕上がって、がんもどきとは言えないという指摘を受けましたので、本格的に飛竜頭に挑戦。関西系のがんもはたいてい表皮が薄く仕上がっていて、中に銀杏が入っていますが、それに倣って作ったものです。面倒を厭わなければ別に難しい料理ではありませんが、とにかくすり混ぜるのが結構重労働。山芋というのは他の材料と馴染ませるのに時間がかかるのです。しかしタネができてしまえばあとは簡単。中温に熱した油で色よく揚げるだけ。ただし油は必ず温度を揚げてからタネを入れること。そうしないと鍋肌にくっついてうまく揚がりません。焦らずじっくり時間をかけて揚げてください。出来上がったがんもどきはそのままでも食べられますが、煮物にすれば絶品。ぜひぜひ、お試しください。
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