料理と器・杉江保枝
すりおろした蓮を蒸して銀あんをかけていただく料理です。同じような料理にかぶら蒸しがありますが、その蓮根版とも言えるでしょう。かぶら蒸しは、器に鶏肉や鯛などの食材を入れ、上からすりおろしたカブをかぶせて器ごと蒸して作ります。蓮蒸しもそのように作ることが多いのですが、今回は団子状に丸めて蒸し器で蒸したあと、器に盛りつけて銀あんをかけました。この作り方だと、お吸い物などの椀物にも応用が効きます。蓮には上新粉を加えてあるので、出来上がりはもちもちっとした感じ。そのモチっとした舌触りの中に、時折混じる蓮のシャキシャキ感がとても美味しく感じます。蓮だねの中には銀杏を一つ、さらに上部にも一つ飾って見栄えを良くしました。エビや鯛、鶏肉などを中に入れると、さらにグレードアップ。難しそうに見えますが、意外と簡単で時間もかかりません。冬の寒い晩、こんな料理を作ってちょっと料亭気分に浸ってみてください。
用意するもの(4個分概略)
作り方
ポイント1
蓮根は穴の開いている方を下にしてすりおろすと、少しだけしゃきっとした食感が残って面白い歯ごたえになります。逆に皮目の方を下にしてすりおろすと、繊維が余り残らずに仕上がります。お好みでどちらでも。
ポイント2
銀杏は殻付きのものを茹でて使用。殻を剥いてから沸騰しているお湯に入れ、穴杓子のそこなどを使ってゴリゴリとこするようにすると、2分ほどでつるりと皮が剥けます。面倒な方は、水煮になっているものを使用してください。中に入る銀杏の代わりに、エビや鶏肉、鯛などを入れても美味しいですよ。
ポイント3
銀あんには一番だしを使用します。蓮だね自体には味がついておりませんので、ほぼこのあんの味で食べることになります。香りの良い一番だしを使い、しっかりと味をつけて作りましょう。