料理と器・杉江保枝
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少しずつ春が近づいてきているとは言え、まだまだ寒い日が続きます。もうちょっとの辛抱で暖かくなると思えば、少しだけ気持ちも軽くなるように思えます。春を待ち焦がれる気分が強まるこの季節ですが、冬の名残を味わうのもまた一興。今回ご紹介するのは冬の定番、ふろふき大根。ずいぶん以前にゴマを使った練り味噌のふろふきをご紹介していますが(http://www.3lives.net/dishfile/file011.html)、今回はちょっぴり春の味わいを求めて甘酸っぱい柚子練り味噌をご紹介。また、前々回の『里芋の柚子味噌和え』では柚子の皮を使ったお味噌。今回は柚子の絞り汁を使った練り味噌です。柚子の絞り汁は、この季節の生の柚子からはあまり量が絞れません。そこで秋口に柚子こしょうを作るときに絞っておいたものを使っています。普通のご家庭では、瓶詰めのものが市販されていますので、そちらをお使いになると良いかと思います。
ふろふき大根はもちろんなのですが、この柚子練り味噌が格別。ご飯のお供としても大活躍するほか、何と言ってもお酒のつまみにぴったり。日本酒も進みますし、甘酸っぱさが焼酎にもとても良く合います。今年はこれが最後のふろふきかも、なんてことを思いつつ、往く冬を惜しみ、来る春を待ち焦がれつつ味わいたい一品です。
用意するもの(4〜5人前概略)
作り方
ポイント1
ふろふきに限らず、大根を煮物に用いる場合は下茹でが肝心です。ただ茹でれば良いというものではなく、竹串がすっと通るまでしっかりと茹でることが大切。ここでしっかり茹でておくと、味の染みも良くなり、柔らかくて美味しい煮物に仕上がります。米のとぎ汁がない場合は、米ぬかをほんの少量加えても可。また、白米数粒と共に茹でても構いません。
ポイント2
柚子の絞り汁を使用。大さじ1.5と、結構多めですので、市販の瓶詰め商品をお使いになることをおすすめします。また、今回の練り味噌の調味料は、分量やや控えめ。もう少し甘くしたい場合は砂糖を、もう少しパンチの有る味に仕上げたいときは柚子の絞り汁を多めにします。お好みで上手に調節しましょう。なお柚子の絞り汁は、お酢とは違って香りが命ですので、仕上げに近い時点で投入します。
ポイント3
ふろふき大根は大根だけを取り出して味噌をかけていただきます。残った汁がもったいない、という方は、お味噌汁への転用がおすすめ。うちではふろふきの翌日はこの汁を使って大根のお味噌汁を作ります。また、魚の煮物にも最適。鯛のあら煮や、ぶり大根などに使えます。昆布出汁がバッチリでいています。捨ててしまうのはもったいないので、ぜひご活用を!
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