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大根と牛肉の煮物(file263)

料理と器・杉江保枝

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秋も深まるにつれて、温かい煮物が恋しくなってきました。そこで今回は大根を使った煮物の登場。大根に合わせたのはすき焼き用のちょっと贅沢な霜降り肉。糸こんにゃくも一緒に煮込んで、関西の牛すじ煮込み風の味付けであっさり仕上げました。煮込みというと庶民派の味ですが、霜降り肉を使った分、出来映えは上品。しっかりアク抜きした大根には出しの味が良くしみこんで、頬張ると思わず笑みがこぼれます。スープも一緒に飲み干したくなるお味は、意外にも胃に優しく、疲れた身体をリフレッシュさせてくれそう。薬味代わりにネギや青ネギをたっぷり添えて、お好みで七味唐辛子や柚子こしょうで辛みを加えて召し上がってください。

 

用意するもの(概略)

大根2/3本

糸こんにゃく400g(2袋)

牛肉(すき焼き用薄切り肉)180〜200g

大根のあく抜き用に米のとぎ汁適宜

だし汁(2番だし)500cc

酒100cc

みりん60cc

塩小さじ1.5

醤油小さじ1

白ネギと小ネギ適宜

 

作り方

  1. 大根は2センチほど厚さに切って厚めに皮を剥き、半月型にしたあと面取りをする。
  2. 2の大根を米のとぎ汁で茹でてアク抜きする。大根に竹串がすうっと通るまで茹でる。
  3. アク抜きが終わったら大根を取り出して流水で洗い流し、表面についたアクを丁寧に取り除く。
  4. 糸こんにゃくもアク抜きをする。一度軽く水洗いしたあと、沸騰したお湯の中で5分ほど茹でてアク抜き。アク抜きがすんだらザルに取って流水で表面のアクを洗い流しておく。
  5. 牛肉は、食べやすい大きさに切り分け、アク抜きも兼ねてさっと熱湯にくぐらせて脂抜きをする。湯から引き上げたらキッチンタオルなどで余分な水分を取り除いておく。
  6. 大きめの鍋に3の大根、4の糸こんにゃく、5の牛肉を入れ、だし汁500ccを加えて強火にかける。
  7. 沸騰してきたら、酒100ccとみりん60ccを加えて一度煮きり、中火に落として塩小さじ1.5、醤油小さじ1を加え、落としぶたをして弱火で20分ほど煮込む。
  8. 20分ほどしたら味を見て、足りないようなら塩を加えて調える。
  9. 一度火を落として20〜30分おいて味を馴染ませる。
  10. 食べる直前に温め直し、器に盛りつけ、細かく刻んだネギを添えれば出来上がり。

 

ポイント1

大根のアク抜きは、しっかり。良く適当に茹でただけで終わりにしてしまう方がいますが、それでは大根に味が染みません。竹串がすうっと通るまで、じっくりと茹で上げてください。竹串が通るようになったら、一度鍋から引き上げ、流水にさらして丁寧にアクを洗い流します。この作業さえ怠らなければ、初心者でも美味しい大根の煮物ができるはずです。茹で時間は、季節や大根の質によって変わります。冬場の大根は柔らかく、比較的短い時間で茹で上がりますが、夏場は大根が固めなのでやや時間がかかります。火加減は中火程度で。温度が低いと茹で上がるのに時間がかかる上、うまくアクが抜けません。ぐらぐら煮立っている必要はありませんが、ある程度の温度は確保してください。実際の調理時間の他に、1時間から、場合によっては2時間程度のタイムラグを見込んでおくといいでしょう。

 

ポイント2

糸こんにゃくもしっかりアクを抜きましょう。今回使用したのは通常よりやや太目の糸こんにゃく。場合によっては突きこんにゃくの名称で売られていることもあります。もちろん、ごく普通の細めの糸こんにゃくを使用しても構いませんし、お好みで白滝を使うのもいいでしょう。ただしいずれの場合もアク抜きはしっかり。どうしても面倒なら、アク抜き済みの製品も売られていますので、そちらをご使用ください。

 

ポイント3

今回はちょっと贅沢にすき焼き用の霜降り肉を使いましたが、もちろんそれほど良い肉でなくても構いません。脂分の少ない部位の場合でも、一応熱湯にくぐらせてアクを抜いてから煮ましょう。実際に煮てみるとわかりますが、大根もこんにゃくも牛肉も、下処理がしっかりしているので、ほとんどアクは出てきません。この手間が味に結びつくわけですから、手抜きしないで丁寧に作ってくださいね。

 

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