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すり身の流し汁(file281)

料理と器・杉江保枝

 

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今週は魚のすり身を使った上品なお吸い物を紹介します。すり身というと敷居が高い感じがしますが、今回使用したのは『もみもみすり身』という便利な商品。富山の上久という会社が製造販売しているもので、袋入りの冷凍食品です。流水で解凍したあと、袋の上から手でもみほぐすので『もみもみすり身』というわけ。自家製のさつま揚げやつみれ汁、魚ハンバーグなどを作るのにとても便利です。今年のお正月は、このすり身を昆布で巻いて、昆布巻きかまぼこを作りました。さつま揚げやハンバーグなどの場合は、袋から出して材料を混ぜ合わせて作りますが、実はこの『もみもみすり身』、何が便利と言って、袋から直接汁の中に絞り込める点。その利点を利用して、紐状に絞って茹でたすり身を、お吸い物に仕立てたのが今回の料理です。たっぷりと入れたネギのしゃきしゃき感がまたたまらないひと品。ぜひ試してみてください。

 

用意するもの(3〜4人前・概略)

もみもみすり身(昆布だし入り)1袋

昆布 5〜6センチ

水 700cc

ネギ 7〜8センチ

柚子の皮と針生姜適宜

塩 小さじ1/2

醤油 小さじ1/2

 

作り方

  1. 鍋に水700ccと昆布を入れて40分ほどおく。
  2. もみもみすり身は流水にさらして7〜8分解凍。そのあと、凍ったつぶつぶがなくなるまで、手のひらで良く揉んでおく。
  3. ネギはみじん切り。生姜は針生姜にしたて(千切りにして冷水にさらす)、柚子の皮は千切りにしておく。
  4. 鍋に湯を沸かす。もみもみすり身の袋の端を小さく切り取り、熱湯の中に紐状に絞り入れる。長すぎると食べにくいので、適当な長さで絞り入れること。火が通って湯の表面に浮いてきたら穴じゃくしですくってバットに取っておく。
  5. 1の鍋を弱火に欠け、ふつふつと泡立ってきたら昆布を取り出す。沸騰してきたら紐状にした3のすり身を入れ、アクを丁寧にすくってから味付けをする。塩小さじ1/2と醤油小さじ1/2を加えて、味が足りないようなら塩で加減をする。
  6. 火を止める直前にみじん切りにしたネギを散らして火から下ろす。
  7. 器に盛りつけ、針生姜と柚子をあしらえば出来上がり。

 

ポイント1

魚のすり身を使ったお吸い物は、昆布だしで作ります。かつおだしを使うと、すり身の成分とケンカするのか、生臭くなります。味は、塩と醤油を使用していますが、淡口醤油を使ってもいいでしょう。砂糖やみりんなどの甘味は一切入れません。薄く上品に仕立てて、椀種のすり身の味を引き立てます。ネギはたっぷりあしらった方が美味。しゃきしゃきした歯触りがまた旨さを誘います。今回はあしらいに生姜と柚子を使用しましたが、三つ葉などを使ってもまた美味しく仕上がります。

 

ポイント2

もみもみすり身を、今回は紐状に絞り入れていますが、つみれ状に団子にしても構いません。また、一度熱湯に通してから、吸い物に仕立てていますが、直接ダシに入れてしまってもいいでしょう。ただし、一度熱湯にくぐらせてから使用した方が、仕上がりが透明できれいです。もみもみすり身には薄い味がついています。昆布だしも入っています。普通に魚のすり身を使用するときは、あらかじめ塩少々で味付けしてから調理した方が、臭みもなく、うま味も引き出されます。

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