料理と器・杉江保枝
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鶏の唐揚げはご家庭でも頻繁に食卓に上るメニューの一つではないでしょうか。各家庭で自慢の味付けがあったりして、よそのお家に行って食べるのもなかなか楽しいものですよね。さん生家でも、以前は良く唐揚げを作っていましたが、何しろメタボ世代ですから、最近はあまり作らなくなりました。それでも時折思い出したように食べたくなるのは、やはり唐揚げには抗しがたい魅力があるからなのでしょう。さて、今回はその唐揚げにもやしのあんをかけてみました。デパ地下などでは、良くお総菜としてあんかけ唐揚げが売られていますが、残念ながら味は今ひとつ。脂っぽいし、味がぼやけているし、何となくポイントがずれているような感じで・・・。でも家で作る唐揚げはそんなに脂っぽくはありません。味付けもしっかりしていますし、あんとの絡みもバッチリ。あんに入っているもやしのしゃきしゃき感と、唐揚げのカリカリ感もたまりません。ちなみに、このあんかけ、さめても美味しいんです。一晩たって電子レンジで温めても美味しいんです。さすがにカリカリ感はなくなりますが、その代わり、唐揚げ全体に馴染んだあんの味がまた格別。あんを別あつらえにする分、やや手間がかかりますが、ぜひ試してみてください。
用意するもの(概略)
鶏もも肉 1枚
塩・胡椒 適宜
生姜 5g
ニンニク 1片
醤油 大さじ1/2
日本酒 大さじ1/2
小麦粉 大さじ1
片栗粉(ころも用) 大さじ2弱
ごま油 適宜
もやし 1/2袋
白髪ネギ 適宜
水 150cc
鶏ガラスープ(顆粒) 小さじ1
みりん・醤油・酢 各小さじ2
片栗粉(とろみ用) 大さじ1/2
作り方
ポイント1
さん生家の唐揚げは、竜田揚げに近い味付けです。まず塩・胡椒で下味をつけたあと、おろしニンニクとおろし生姜、醤油と酒でさらに味をつけます。塩・胡椒で味をつけたあとで、ニンニクと生姜の準備をすれば、その間、肉に塩味がしみて、次の味がまた良く馴染みます。塩・胡椒をしたあとすぐに味をつけるより、この方が断然美味しくなりますので、この時間差は覚えておくといいでしょう。小麦粉を使うのは、味付けに醤油と酒を使用しているため、全体に水っぽいから。小麦粉で水分を吸い取り、片栗粉で衣をつけて揚げていきます。片栗粉だけだと、油の浸透具合に難があり、油っぽい唐揚げになってしまいます。小麦粉を使うのがミソです。揚げ油は低めの温度で。じっくりと時間をかけて揚げることで、肉の中にある余分な脂分が抜けて、かえってさらっとした仕上がりになります。脂分が抜けるとジューシーさが失われるように思われますが、そんなことはありません。肉本来のうま味が引き出されますから、とても美味しい唐揚げになります。
ポイント2
デパ地下などで売られているお総菜のあんかけ唐揚げの多くは、唐揚げの味付けも中途半端なら、あんの味付けも中途半端、という代物が多いようです。しかし、いくらあんをかけるからと言って、唐揚げ自体の味を薄くしてしまっては、締まりのない料理になってしまいます。唐揚げは、むしろしっかりと味をつけた方が美味しく仕上がります。その代わり、あんの方はややあっさりと仕上げましょう。塩分が気になる方は、ここで醤油の分量を減らすといいと思います。塩っ気が足りないなと感じたら、酢をやや多めに。
ポイント3
あんのもやしは一番最後に入れます。沸騰している汁の中にもやしを投じ、全体に火が通ったらとろみをつけます。煮すぎるとまずくなるので要注意。なお、もやしは髭根を取っておくと調理しやすくなります。髭根を取るのはとても面倒ですが、この一手間で、味も良くなりますし、とてもさばきやすくなるので、手抜きしない方がいいと思います。
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