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そら豆とふきのとうのクリーム煮(file345)

料理と器・杉江保枝

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春といえばふきのとう。蕗味噌や天ぷらも美味しいけれど、ときには洋風の味付けもおつなものです。今回はやはり旬のそら豆をあわせて、クリーム煮にしてみました。そら豆を噛んだ瞬間、その甘さとベシャメルソースの味が口中で合体、なんとも言えないおいしさになります。そして追いかけてくるように広がるふきのとうの苦味。しみじみと春を実感できる一品です。隠し味に使っている白味噌が独特のまろやかさを演出。美味しいパンといっしょにお召し上がり下さい。

 

用意するもの(2〜3人前 概略)

ふきのとう 6〜7個

そら豆 8〜10さや程度

バター 150g

薄力粉 大さじ1.5

水 200cc

牛乳 200cc

鶏ガラスープ(顆粒) 大さじ1

白味噌 小さじ3

塩・胡椒 適宜

 

作り方

  1. そら豆はさやから外し、下茹でする。たっぷりの湯を沸かし、塩少々を加え、さやから外したそら豆を茹でる。表皮が膨らんで表面が張ってきたら、湯からざるに上げ、そのままさましておく。
  2. 薄力粉大さじ1.5は予めふるいにかけておく。
  3. 鍋を弱火にかけ、バター150gを入れ、半分ほど溶けてきたところで、2の薄力粉を加え、へらを使ってクリーム状に練り上げる。
  4. 一度火を止め、水200ccをほんの少しずつ加えながら、ベシャメルソースを作る。火を止めた瞬間は鍋の温度が上がっているが、水を加えると温度が下がる。そこでへらを使ってダマにならないように全体をまぜ、さらに水を少し加えて混ぜる作業を繰り返す。温度が下がってくると混ざらなくなるので、弱火にかけて温度を上げ、熱くなったらやはりダマになるので、火を止めて温度を下げる。常に人肌より少し熱い程度の温度を保ちながら、ソースを作ってゆく。
  5. 水200ccを全て加え終わったら、弱火をを保ったまま、今度は牛乳を少しずつ加える。ここでもダマにならないよう、へらでかき回しながらゆっくりと混ぜ合わせて、加熱する。
  6. 牛乳を全て混ぜ終わったらひを少し強め、鍋が沸騰しかけてきたら鶏ガラスープ大さじ1を入れ、お玉でかき回しながら良く溶かす。
  7. スープが溶けたら、1で茹でておいたそら豆を加えて、10分ほど弱火で煮込む。ときどきお玉でかき回し、ダマにならないようにする。
  8. ふきのとうは細かく刻んで、塩少々を加えた熱湯でさっと茹で上げ、ざるに取って流水に軽く晒した後、水を切り、手で絞って水分を切っておく。
  9. そら豆が煮上がったら、8で絞っておいたふきのとうを加えて全体をよく混ぜながら加熱し、再度沸騰しかけてきたら弱火にして、味噌小さじ3を加えて溶かす。味を見て、塩・胡椒で整えた後、仕上げに生クリーム100ccを入れて全体を混ぜ合わせ、温まったら出来上がり。

 

ポイント1

ベシャメルソースを作るのは面倒ですが、ちょっとしたコツを覚えてしまえばそれほど難しくはありません。よく、人肌に温めたスープで溶くと言いますが、温かいスープを使うより、鍋が熱いうちに冷たい水を加えて溶いたほうが失敗なくなめらかに出来上がります。ポイントは、鍋の中の温度。常に人肌より少し高めの温度に保つよう心がければ、まず失敗はありません。鍋が熱いうちは冷たい水で溶き、温度が下がったら、加熱しながら溶く。実際にへらで溶いてみると、混ざりにくくなるタイミングや、簡単に混ざってしまうタイミングがすぐにつかめるようになるので、混ざりにくくなったらすぐに火をつける、混ざりやすいときは手早く混ぜるという作業を細かく繰り返すようにしてください。どうしても自信のない方は、水を温めて作業してもかまいませんが、その場合は、まず最初に混ぜたバターと小麦粉を人肌に冷ますこと、水の温度は常に一定に保つこと(やはり温めたり、冷やしたりといった手間は省けません)が大切です。どちらも原理は同じですが、個人的には、水を使ったほうが失敗が少ないと思います。

 

ポイント2

そら豆もふきのとうも下茹でしてから使います。そら豆はクリームソースに入れてから少し煮込みますが、ふきのとうは、最後の仕上げに入れるだけ。そうしないと苦味や味が飛んでしまいます。

 

ポイント3

隠し味に白味噌を使っているのがまさにミソ。普通のお味噌では味が濃くなる上に、麹のつぶがじゃまになりますが、白味噌なら甘みが強く、麹のつぶつぶがないので気になりません。しかもふきのとうとお味噌は相性ばっちりですから、合わないわけがありません。味噌がなくても構わないのですが、入っていると味がまろやかでふくよかになります。ぜひお試しください。

 

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