料理と器・杉江保枝
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煮物といえば醤油味が定番ですが、暑い時期にはちょっと敬遠したくなることがあります。そこで今回は塩味の煮物をご紹介。塩で煮た肉じゃがについては以前にもご紹介しましたが、今回はじゃがいもとキャベツという野菜のみを使用。その分あっさりとした味わいになっています。味の決め手はつぶ黒胡椒。一緒に煮込むことでスープにピリっとした辛味がうっすら効いて、味を引き締めます。煮込んであるので比較的柔らかくなっており、辛いのが苦手でなければ野菜と一緒に噛み締めて味わってみてください。キャベツとじゃがいもの甘みと共に爽やかな香りと辛味が口中に広がり、何ともいえない味わいになります。温かいまま食べても美味しいのですが、冷たく冷やしても美味。この夏、ぜひお試し下さいませ。
用意するもの(概略)
じゃがいも 中5個
キャベツ 1/2個
粒黒胡椒 小さじ1/2
だし汁 800cc(できれば一番だしと二番だし半々ずつ)
みりん 30cc
塩 小さじ1.5
作り方
ポイント1
じゃがいももそうですが、キャベツにはかなり甘みがあります。そのため、甘味料は控え目にします。今回はみりんを30cc程度。お砂糖で代用もできますが、入れすぎると味がくどくなるので、少量にしてください。塩味は小さじ1.5程度。ちょっと足りないかな、と思っても、少し煮詰まるとちゃんとした味になります。全体に、素材のおいしさを引き出す分量を心がけましょう。
ポイント2
だし汁は、できれば一番と二番、半々ずつ使いたいところ。煮物に一番は邪道だという方もいらっしゃいますが、夏場の料理で、冷やして食べることを考えると、だしは濃いほうが美味しくなるのです。まして塩味の煮物の場合はだしの旨味の力を借りたほうが美味。一番だけだとちょっとくどすぎますが、二番と半々にすれば、いい塩梅になります。だし汁を取るのが面倒な方は、市販の野菜からとった顆粒ブイヨンがおすすめ。この場合は甘みを加えなくても大丈夫。ただ、塩味は予め付いている場合が多いので、塩は控えてください。
ポイント3
味の決め手は粒黒胡椒。辛いのが苦手な方は入れなくても大丈夫ですが、入っていると、非常に爽やかに仕上がります。香りの良さを楽しむだけでも良いのですが、ときどきカリッと噛んでみると、口の中に辛味と香りが広がってなんとも言えないおいしさを演出してくれます。また胡椒以外の香辛料を試してみるのも良いのではないかと思います。たとえばクミンをちょっと入れると、サラッとしたカレー風味に。色々と工夫してみてください。
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