料理と器・杉江保枝

土用といえばうなぎの蒲焼。でも今回ご紹介するのは同じ蒲焼でも豚肉を使った一品です。お魚を使っているわけではないので、全く違った歯ごたえと舌触りですが、甘辛いタレに絡めているので味わいはいわゆる蒲焼です。使用したのは豚バラ肉のスライス。この薄切り肉を二枚重ねて両面に小麦粉を薄くまぶし、フライパンでカリッと焼き上げます。にじみ出てきた脂をキッチンペーパーなどに吸わせてしつこい脂分をカットし、最後に甘辛いタレを絡ませてちょっと煮詰めれば出来上がり。表面はカリッとしていますが、脂が程良く落ちた中身は口溶けよくジューシー。二枚重ねになっている分、内側にしっとりさが残るのがミソです。ご飯に載せていただくと思わず「うまい」の一声が。うなぎ等の蒲焼同様、山椒をかけてお召し上がり下さい。
用意するもの(概略)
豚バラ肉スライス 6枚
小麦粉 適宜
ごま油 適宜
だし汁または水 大さじ1
しょうゆ 大さじ1.5
砂糖 小さじ1
みりん 小さじ1
作り方
- 豚バラ肉は二枚合わせにして、三等分ぐらいの大きさに切り分ける。
- バットに茶こしなどで薄く小麦粉を敷き、その上に1の肉を並べ、さらに上からやはり茶こしで薄く小麦粉をまぶしておく。
- タレを作っておく。小さめのボウルに、だし汁または水大さじ1、しょうゆ大さじ1.5、砂糖小さじ1、みりん小さじ1を入れて良く混ぜあわせておく。
- フライパンを火にかけ、温まってきたらごま油を引き、やや弱めの中火に落として、2で粉をまぶしておいた豚肉を焼く。片面がカリッときつね色に焼きあがったら裏に返し、同様にカリッと焼き上げる。
- 両面が焼きあがったらキッチンペーパーを用意し、フライパンを傾けてにじみ出てきた脂を片側に寄せ、ペーパーに吸わせる。
- 脂を吸わせたら仕上げに3のタレを一気に加え、やや火を強める。タレが少し煮詰まったら出来上がり。皿に盛り付け、山椒を振って卓に供する。
ポイント1
バラ肉を二枚重ねるのが美味しくつくるコツです。だったらやや厚めにスライスして使えばいいではないか、と思われるかもしれませんが、厚みがあると脂分が十分に落ちませんので、この焼き上がりにはなりません。また、重なった内側には焼き色がつかず火が通るだけですから、しっとり感が残ります。これによって外はカリッと、中身はジューシーに仕上がるわけです。
ポイント2
肉をカリッと焼きあげるのに粉をまぶすのは必須です。ただまぶしすぎるともたっとした出来上がりになってしまうので、量には要注意。茶こしを使って、全体にうっすらとまぶすようにします。また、粉には旨みを閉じ込める役割もあります。バラ肉は脂分が多いのが難点ですが、粉をまぶすことによって旨みが閉じ込められ、余分な油だけが外に滲み出すので、これをペーパーに吸わせます。このように油分を上手にカットしてあげると旨みだけが残って美味しくなります。
ポイント3
タレにはしょうゆと砂糖、さらに照りを出すためにみりんを使います。それだけだと煮詰まったときに味が濃くなりますので薄めて使いますが、薄めるのは水でも構いません。もちろんだし汁を使うと旨みが加わって美味しくなります。さっと絡めてさっと煮詰めて、手早く仕上げてください。
※調味料の分量は、お使いの製品によって塩分や甘みに相当違いがありますので、ご家庭でお使いのものに合わせて調節してください。表示してある分量はあくまでも目安です。
なお、通常このレシピで使用している調味料は次の通りです。
- [醤油(file291まで)] 和歌山県 湯浅 角長 手づくり醤油
- [醤油(file292以降)] 埼玉県 坂戸市 弓削多醤油 木桶仕込しょうゆ
- [みりん] 愛知県 九重味醂株式会社 本みりん九重櫻
- [塩] オーストラリア産オーガニック岩塩 500年前の塩
- [トマトケチャップ] 高知県 株式会社ケンショー(ソース工房)のトマトケチャップ
- [ごま油] 東京都 中落合 小野田製油所 玉締めごま油一番しぼり
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