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ちりめん山椒(file397)

料理と器・杉江保枝

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京都のお土産の定番、ちりめん山椒。しかし聞くところによれば、京都ではそれぞれの家庭で作るのが一般的なようです。ならばうちでも、と作り始めて以来、ほとんど常備菜として欠かさず作りおきするようになりました。使う材料はしらす干しと実山椒の佃煮、調味料。実山椒の佃煮は京漬物のお店などで売っていますが、できればこちらも手作りしたいところ。そこで今回は、実山椒の佃煮も含めてレシピをご紹介したいと思います。ちなみに実山椒が獲れるのは今の時期のみ。5月から6月にかけての約一ヶ月間が収穫時期なので、この時期に佃煮を作り、小分けにして冷凍しておきます(一年間はもちます)。しらすや調味料は年中手に入りますので、実山椒の佃煮さえあれば、いつでもおいしいちりめん山椒が食べられるというわけです。もちろん、非常に手間のかかる作業ですから、面倒だなと思う方は市販の製品をお使いになっても構いません。

 

用意するもの(概略)

実山椒の佃煮

実山椒 500g

日本酒 250cc

醤油 250cc

 

ちりめん山椒

しらす干し 150g程度

日本酒 60~80cc

みりん 大さじ1

醤油 大さじ1弱

昆布 2センチ角程度の大きさのもの

実山椒の佃煮 大さじ1〜1.5

 

作り方

実山椒の佃煮

  1. 実山椒は洗って枝から外し、熱湯で茹でる。湯が湧いたら実山椒を入れてよくかき回し、再び沸騰してくるのを待ち、実の緑色がやや薄くなるまで茹でてザルに取り、さっと流水にくぐらせて粗熱を取る。
  2. 実山椒のつるを取る。実の上に短いつるが残っているので、これを丁寧に取り除き、できるだけ実だけの状態にする。
  3. 2の実山椒を鍋に入れ、日本酒250ccと醤油250ccを加えて火にかけ、沸騰してきたら弱火に落とし、30〜40分程度煮て火を止め、自然に冷ましておく。
  4. 3が冷めたら、フリーザバッグなどに小分けにして冷凍する。

 

ちりめん山椒

  1. しらす干しは一度ザルに取り、さっと流水にくぐらせて水を切っておく(こうすることで表面の塩分が落ちて、全体の味が安定する)
  2. 小鍋に日本酒60~80ccと小さめのだし昆布を入れて弱火にかけ、沸騰してきたら昆布を取り除き、みりん大さじ1と醤油大さじ1弱を入れて中火で加熱。
  3. 2が再度沸騰してきたら弱火に落とし、1のしらすを入れて全体を良く混ぜ合わせ、水分が亡くなるまでふっくらと炊きあげる。
  4. 仕上げに実山椒の佃煮大さじ1〜1.5を加え、さらにさっと加熱すれば出来上がり。実山椒の佃煮の煮汁が入った場合は、この水分がなくなるまで加熱すること。

 

ポイント1

実山椒は枝から離したあと熱湯で茹で、残っているつるも綺麗に取り除きます。この作業に非常に手間がかかります。今回は500gの実山椒をさばくのに半日以上かかりました。とにかく根気のいる仕事ですので、面倒な方は市販の製品をお使いになることをおすすめします。また、この時期のみ、少量の実山椒を煮て使用するのもおすすめ。少量ならそれほど時間もかかりません。煮上がった実山椒は小分けにして冷凍します。冷蔵でもかなり日持ちしますが、コンディションによってはだめになる場合もあるので、念のために冷凍しておくことをおすすめします。解凍は自然解凍で。解凍したあとは保存容器に移し替え、冷蔵庫で保存します。

 

ポイント2

実山椒の佃煮も、ちりめん山椒も、水を一切使わずに煮ます。基本は日本酒と醤油。ちりめんにはみりんで甘味をつけます。みりんは醤油より若干多めに使用。レシピにもありますが、しらす干しには塩味がついていて、そのまま煮るとしょっぱくなる場合があります。軽く水通しをして表面の塩分を取り除いてから煮ると、好みの味付けになるはずです。

 

ポイント3

市販のちりめん山椒は、カラッと乾いているものもありますが、自家製はどちらかと言えばふっくらしっとり。乾いたちりめんにしたい場合は、とろ火で根気よく水分を飛ばして炊き上げますが、焦げる危険もあるので要注意。頃合いを見計らって、上手に火から下ろすようにしましょう。

 

 

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