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手作り生麸(file399)

料理と器・杉江保枝


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生麩といえば高級食材。精進料理にちょこっと入っていたり、椀物のタネに添えてあったりして、意外と身近なところでもよく見かけます。刺し身や田楽、煮物などにも使われます。一番馴染み深いのは緑色のよもぎ麸でしょうか。もみじや梅など模した、色とりどりの生麩も綺麗ですね。そんな生麩を家庭で手作り。大元の材料はグルテンですから、グルテンさえあれば意外と簡単に作れます。ただ、このグルテンが曲者。小麦粉をこねて寝かしたあと、晒しなどに包んで、水の中でひたすら揉んで揉んで取り出します(興味のある方はこちらをご参照ください。http://ws-plan.com/tsukuru/namafu.html)。こうして作った生麩は確かに美味しいけれど、いやはや時間も労力もかかりすぎ。そこで今回は市販のグルテンパウダーを使った作り方をご紹介します。グルテンパウダーは小麦たんぱく。パンを作る際など、具材が多すぎるなどして膨らまない場合などに補助的に使われます。米粉パンなどにもよく使われるので、最近はだいぶおなじみになってきているのではないでしょうか。製菓材料店で売っていますが、小売店でてにはいらない場合は、ネットで検索すればいくらでも商品がヒットしますので、そちらをご活用ください。ちなみに、味はモチっとしてなかなかの美味。わさび醤油などでそのまま食べても良し、煮物に使用しても美味しく食べられます。また今回はチーズ入の生麩もご紹介。こちらはマヨネーズをつけると良いおつまみになります。

 

用意するもの(概略)

白い生麩(プレーン)

グルテンパウダー 50g

白玉粉 25g

水 75cc

チーズ生麩用にスティックチーズ1本

 

ゆかり生麸(ゆかり粉入り)

グルテンパウダー 50g

白玉粉 25g

ゆかり粉 小さじ2

水 75cc

チーズ生麩用にスティックチーズ1本

 

作り方

  1. グルnamafu1.gifテンパウダー50gと白玉粉25g(ゆかり入りはゆかり粉小さじ2も一緒に混ぜる)をボウルに入れ、全体をよく混ぜ合わせる。水75ccを加えてこね、丸くまとめる。写真はまとめた状態。白玉粉のつぶつぶがまだ少し残っており、滑らかさもあまり感じられない。
  2. 1を30分ほど常温で寝かせる。寝かせることにより水分が生地に馴染み、白玉粉の粒が均等に混ざるようになる。
  3. namafu2.gif 生地を寝かせ終わったら、白いつぶつぶがなくなり、なめらかな感じになるまでよく揉む。うどんなどをこねる要領で、力を入れてよく捏ねる。写真はもみおわった生地。1の時と比べると、全体がなめらかになっている。
  4. 生地を二つに分ける(スケッパーなどを使って二等分して、切れない部分は手でちぎる)。半分はチーズ生麩にする。
  5. namafu3.gifチーズ生麩にする方は、全体をスティックチーズの長さの長方形になるように延ばして、中央にスティックチーズを置き、チーズが隠れるように包み込み(写真はチーズが見えていますが、見えないように包みます)、クッキングシートで包む。
  6. namafu4.gif 巻きすに巻くように包んで、上下をキャンディーのようにひねってタコ糸で結ぶ(きつく巻くと茹でている間に膨張して破れるので、多少余裕を持たせて巻くのがコツ)。念のため、中央もタコ糸で縛っておく。
  7. namafu5.gif 梅型にする場合は、竹串を使う。6と同じようにシートに包んだあと、5本の竹串を周りに配してタコ糸を結ぶ。
  8. namafu6.gif 残りの生地は適当な形に整え、クッキングシートの上に載せて、そのまま茹でる。
  9. 鍋に湯を沸かし、6と7はそのまま、8はシートごと入れて茹でる。8のシートは表面に火が通った時点で自然に剥がれるので、剥がれたら取り除いておく。
  10. namafu7.gif 約10分茹でたら氷水に取って冷やす。粗熱が取れたら氷水から取り出し、余分な水分を拭きとり、冷蔵庫で1時間ほど冷やす。チーズ入りはシートをつけたまま冷やす。
  11. 適当な厚さに切り分けて、いただく。または調理する。

 

ポイント1

グルテンパウダーと白玉粉は、予め混ぜあわせてから水を加えてこねます(分量は2:1。グルテンが2で白玉粉が1です)。グルテンだけを水でとくと粘りが強すぎて、他の粉を寄せ付けなくなってしまいます。ゆかり粉なども最初に一緒に混ぜてしまってください。ゆかりの他、青のりやごまなども混ぜることができますが、すべて最初の時点で一緒に混ぜ合わせるようにしましょう。人参などの野菜のペーストを混ぜることもできます。この場合は水と一緒に加えてください。

 

ポイント2

粘りが強いのでこねるのにやや骨が折れますが、そのぶん、ちょっと乱暴に扱っても大丈夫。いじめる気持ちでガンガンこねてください。なかなかなめらかにならないようなら、両手で引っ張ってみるなどしててみると良いでしょう。

 

ポイント3

クッキングシートの上に乗せて茹でるのは、どうしても鍋肌にくっつきやすいから。どぼんとそのままお湯に投じてしばらくするとシートが自然に剥がれます。剥がれたら鍋にくっつくことはありませんので、シートは取り除いてください。また、チーズ入のように、全体をシートで覆って茹でると、表面もなめらかな仕上がりになります。お好みで調節しましょう。

 

ポイント4

特にチーズ入りは、よく冷やしたほうが切りやすいので、氷水にとったあとは必ず冷蔵庫で冷やしてください。出来立ても美味しいのですが、包丁が入りにくいという難点があります。冷えると少し固くなって扱いやすくなります。

 

ポイント5

生麩は刺身のほか、椀物のたねや煮物の具材、佃煮などにも使えます。オーブントースターで焼いて好みの味噌だれをかければ田楽になります。いろいろとためしてみるのも楽しいでしょう。

 

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