料理と器・杉江保枝
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さんまの季節がやって来ました。ジュウジュウと脂を滴らせながら焼いたさんまももちろん美味しいのですが、生でも美味しいのが旬ならでは。ただ、偏見かもしれませんが、さんまのお刺身はちょっと品のないお味だな〜というのが私の印象。ところが、これを酢で〆ると一転、とても上品なお味に変わります。気になる青魚特有の生臭さも軽減されます。青魚の脂は時間と共に変質しやすく、酸化してしまうと嫌な匂いがするものですが、酢で〆ておけばその点も安心。しかも漬け込んだままにしておけば2〜3日はもつので、この方法を覚えておくと、大量にいただいたときなどとても便利です。写真のようにお造りにしてもよし、押し寿司にもよし、お好みの野菜とあわせてマリネにもできます。ぜひ一度試してみてください。
用意するもの(概略)
さんま(刺身用) 3尾
塩(下漬け用) 小さじ3強
黒酢 90cc
砂糖 大さじ1
塩 少々
作り方
ポイント1(氷水で洗う)
青魚をお刺身にするときは、氷水を用意し、見が白っぽくなるまで洗いながら〆ると生臭さが消えます。イワシなどはその典型。さんまはイワシほど臭くはありませんが、三昧に下ろした時点で血が残っている場合があるので、やはり洗ったほうが美味しく仕上がります。必ず氷で冷やした水を使いましょう。冷たい水を使うことで身が締まり、美味しくなります。
ポイント2(下漬する理由)
酢で〆る前に塩で下漬けするのが肝心です。このとき、塩をけちると美味しくありません。1尾につきこさじ1程度の塩を使います。実際にやってみるとわかりますが、これは結構な量。さんま全体が白っぽくなります。こんなにつかってしょっぱいだろうと加減してしまうと、仕上がりが生臭くなります。実は、塩は塩味をつけるためではなく、余分な水分を落とすために使っているのです。30分ほど下漬けすると、バットの下に水分が溜まります。これが生臭さの原因。さんま本体にはまだ塩が溶け残っているので、余分な水分とともに洗い流し、それから酢で〆ていきます。洗うときはやはり氷水を使いましょう。
ポイント3(小骨について)
3枚に下ろしたさんまにももちろん小骨がありますが、通常はそのまま使用しても大丈夫。食べてもほとんど気になりません。どうしても気になるという方は、骨抜きで引き抜く方法もありますが、さんまの場合は身が柔らかいので崩れてしまいます。そこでおすすめするのが、次の方法。骨の両側に包丁を入れて、小骨のある部分を細長く切り取ってしまうのです。細長くなってしまいますが、そぎ切りするときに大きさを調節すれば大丈夫です。なお、小骨を取るのは漬け込む前ではなく、漬け込んだ後のほうがやりやすいでしょう。
ポイント4(皮は食べる直前に剥く)
〆さんまの場合は、皮付きのまま〆て、食べる直前に皮を剥きます。身の端を指でチョットこそげるようにすると皮が剥がれますので、そのままペロリと剥きます。とても簡単に剥けます。この点でも、生でお刺身にするより扱い易いと言えます。
ポイント5(酢と調味料、梅酢を使う場合のアドバイス)
今回は黒酢を使用しています。黒酢は普通のお酢より味が柔らかく、甘みも感じられます。普通のオスを使う場合は、一度に切ったものを使うか、砂糖の分量をやや多めにして甘みを立たせると良いでしょう。調味料の分量はお好みで調節してください。また梅酢を使って〆ても美味しく仕上がります。ただ、梅酢の場合は塩分があるので、この場合も調味料には要注意。また、梅酢だけではコクが不足しますので、黒酢と半々にして使用するのが美味しく仕上げるコツです。
応用編(〆さんまのマリネ)
〆さんまはマリネにしても美味。お好みの野菜と合わせ、塩・胡椒少々、オリーブオイルでさっと和えれば出来上がり。写真では赤パプリカと玉ねぎ、大葉を使用しています。
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