料理と器・杉江保枝
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よくもまあ、こんな面倒なことを、と良く言われますが、本当に美味しい者が食べたいなら、手間暇惜しまない姿勢が大切です。というわけで、今回はちょっと面倒な料理。ただ、手順さえきっちり踏めば、プロも顔負けの料亭の味が家庭でも実現できますので、面倒がらずに試してみていただきたいひと品です。もちろん、家庭ならではのプロセスもあり。水抜きした豆腐を、プロなら裏ごしして使いますが、そこはフードプロセッサにお任せ。また、布巾で丸めて蒸し器で蒸す過程は、ラップで茶巾に絞って電子レンジで加熱します。あとは煮汁のお味ですが、面倒くさいな〜という方は、市販のおダシを使ってくださっても結構です。時間と手間がかかりすぎるのが難点ですが、食卓に並べれば、驚嘆されること間違いなし。ここが腕の見せ所ですよ。
用意するもの(茶巾12個分)
豆腐 2丁(600g)
山の芋 70g
にんじん 50g
干椎茸 5〜6枚
むきエビ 12尾分
むきエビの下味用に塩少々
にんじんと干し椎茸の下味用に
一番だし 140cc
みりん 大さじ1/2
塩 小さじ1/2弱
茶巾豆腐の煮汁として
二番だし(椎茸の戻し汁含む) 500cc
みりん 60cc
日本酒 60cc
塩 小さじ1.5
銀あん
一番だし200cc
みりん 大さじ1
塩 小さじ1/2
くず粉 大さじ1/2
作り方
ポイント1
手間暇はかかりますが、手順さえ踏めば大丈夫。豆腐は絹ごしを使えば喉越しが良くなりますが、失敗しないためには木綿の方がオススメ。山の芋を加えることでつるりとした舌触りを実現することができるので、木綿豆腐でも十分美味しく仕上がります。フードプロセッサをお持ちでない方は、一度裏ごししてから、すり鉢ですり混ぜます。また、ミルサーやミキサーなどを使ってもいいでしょう。
ポイント2
にんじんと椎茸にはしっかり下味をつけ、エビにも軽く塩を振っておきます。こうすることで料理の味が一段と上がります。ここも面倒がらないことが大切。この一手間があるとないとでは、仕上がりが格段に違ってくるのです。美味しい料理を食べるには、執念も必要です。
ポイント3
茶巾に絞った豆腐は、電子レンジで蒸し上げます。時間は700Wで約5分半。目安は、ぎゅっと絞ったラップが少しほどけかけたら火が通っている証拠。お使いのレンジによって加熱時間にはばらつきがあると思うので、この目安をおぼえておくと失敗しません。
ポイント4
蒸して、さらに煮るのは面倒、と思われるかもしれませんが、だしの味をしっかり染ませることも、美味しい料理を作るコツ。煮る時間は短時間にとどめ、あとは煮汁に浸したまま冷ましてゆっくりと煮含めます。前の日に作っておいて、食べる当日は銀あんのみを作る、というスケジュールだと無理がありません。銀あんを作るのも面倒という方は、なくてもいいでしょう。煮汁にとろみを付けても構いませんし、とろみなしでも、十分美味しい料理ですから、煮物として卓に供しても構いません。
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