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茶巾豆腐の銀あん仕立て(file331)

料理と器・杉江保枝

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よくもまあ、こんな面倒なことを、と良く言われますが、本当に美味しい者が食べたいなら、手間暇惜しまない姿勢が大切です。というわけで、今回はちょっと面倒な料理。ただ、手順さえきっちり踏めば、プロも顔負けの料亭の味が家庭でも実現できますので、面倒がらずに試してみていただきたいひと品です。もちろん、家庭ならではのプロセスもあり。水抜きした豆腐を、プロなら裏ごしして使いますが、そこはフードプロセッサにお任せ。また、布巾で丸めて蒸し器で蒸す過程は、ラップで茶巾に絞って電子レンジで加熱します。あとは煮汁のお味ですが、面倒くさいな〜という方は、市販のおダシを使ってくださっても結構です。時間と手間がかかりすぎるのが難点ですが、食卓に並べれば、驚嘆されること間違いなし。ここが腕の見せ所ですよ。

 

用意するもの(茶巾12個分)

豆腐 2丁(600g)

山の芋 70g

にんじん 50g

干椎茸 5〜6枚

 

むきエビ 12尾分

むきエビの下味用に塩少々

 

にんじんと干し椎茸の下味用に

 一番だし 140cc

 みりん 大さじ1/2

 塩 小さじ1/2弱

 

茶巾豆腐の煮汁として

 二番だし(椎茸の戻し汁含む) 500cc

 みりん 60cc

 日本酒 60cc

 塩 小さじ1.5

 

銀あん

 一番だし200cc

 みりん 大さじ1

 塩 小さじ1/2

 くず粉 大さじ1/2

 

作り方

  1. 豆腐はキッチンペーパーを数枚重ねて包み、300Wの電子レンジで7分加熱し、ペーパーを取り替えて、上にバットなどを置き、さらにその上に重し(水を張ったガラスボウルなど)を載せて、数時間かけて水切りする。
  2. 干椎茸は戻しておく。
  3. にんじんは皮を剥いて千切りにし、熱湯でさっと湯がいておく。
  4. 干椎茸は石突きを取って細切りにする。
  5. 小鍋に一番だし140ccを入れて火にかけ、沸騰してきたらみりん大さじ1/2と塩小さじ1/2弱を加え、3のにんじんと4の干椎茸を入れてさっと煮含め、そのまま(煮汁にいれたまま)冷ましておく。
  6. 山の芋は皮を剥いておろす。
  7. むきエビには塩少々をふっておく。
  8. 水切りの終わって豆腐を適当な大きさに千切ってフードプロセッサに入れ、滑らかになるまですり混ぜる。豆腐がある程度滑らかになったら、6の山の芋を加えさらにすり混ぜる。
  9. 5で冷ましておいたにんじんと椎茸を、キッチンペーパーを敷いたバットなどに広げて余分な水分を取り除く。
  10. 7ですり混ぜた豆腐と山の芋を大きめのボウルに入れ、8で余分な水分を除いたにんじんと椎茸を加えて、全体を良く混ぜ合わせる。
  11. 10を12等分し、調理台に広げたラップの中央に12分の1を置き、真ん中にむきエビ1尾を置いたら、ラップの四隅から包み込むようにして、全体を丸く茶巾に包む。残りの11個も同様にする。
  12. 茶巾に包んだ豆腐を耐熱皿に並べて、電子レンジにかける。700Wで5分半加熱し、あら熱を取っておく。
  13. 鍋に煮汁を作る。二番だしと椎茸の戻し汁合わせて600ccを沸騰させ、日本酒60cc、みりん60ccを加えてさらに煮立たせ、塩小さじ1.5で味を調える。
  14. 13にあら熱を取り、ラップから外した茶巾豆腐をきれいに並べ入れ、クッキングシートやアルミホイルなどでふわりと落としぶたをして、弱火で4〜5分加熱し、一度火を止めて冷まして味を含ませる。
  15. 食べる時間になったら14を温め、同時に銀あんを作る。なべに一番だし200ccを入れて沸騰させ、みりん大さじ1と塩小さじ1/2で味を調える。
  16. くず粉大さじ1/2は、同量程度の水でとき、沸騰している15の鍋に静かに入れてかき混ぜ、とろみを付ける。葛が煮えたら銀あんの出来上がり。
  17. 器に茶巾豆腐を盛りつけ、16の銀あんをかければ出来上がり。

 

ポイント1

手間暇はかかりますが、手順さえ踏めば大丈夫。豆腐は絹ごしを使えば喉越しが良くなりますが、失敗しないためには木綿の方がオススメ。山の芋を加えることでつるりとした舌触りを実現することができるので、木綿豆腐でも十分美味しく仕上がります。フードプロセッサをお持ちでない方は、一度裏ごししてから、すり鉢ですり混ぜます。また、ミルサーやミキサーなどを使ってもいいでしょう。

 

ポイント2

にんじんと椎茸にはしっかり下味をつけ、エビにも軽く塩を振っておきます。こうすることで料理の味が一段と上がります。ここも面倒がらないことが大切。この一手間があるとないとでは、仕上がりが格段に違ってくるのです。美味しい料理を食べるには、執念も必要です。

 

ポイント3

茶巾に絞った豆腐は、電子レンジで蒸し上げます。時間は700Wで約5分半。目安は、ぎゅっと絞ったラップが少しほどけかけたら火が通っている証拠。お使いのレンジによって加熱時間にはばらつきがあると思うので、この目安をおぼえておくと失敗しません。

 

ポイント4

蒸して、さらに煮るのは面倒、と思われるかもしれませんが、だしの味をしっかり染ませることも、美味しい料理を作るコツ。煮る時間は短時間にとどめ、あとは煮汁に浸したまま冷ましてゆっくりと煮含めます。前の日に作っておいて、食べる当日は銀あんのみを作る、というスケジュールだと無理がありません。銀あんを作るのも面倒という方は、なくてもいいでしょう。煮汁にとろみを付けても構いませんし、とろみなしでも、十分美味しい料理ですから、煮物として卓に供しても構いません。

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