あん肝豆腐(file277)

料理と器・杉江保枝

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明けましておめでとうございます。新年最初のおもてなし料理は、今年、さん生家のおせち料理に初めて登場した「あん肝豆腐」をご紹介。酒蒸ししたあん肝を練り込んだ豆腐の生地を流し型に流し込んで蒸した料理です。豆腐地だけの部分と、あん肝を練り込んだ部分を二層にして、おめでたい紅白に仕上げました。あん肝の濃厚さが豆腐のうま味と相まって何とも言えない旨さ。口に入れるとまずふんわりと生地が溶け、それからまったりとした味わいが舌の上に広がります。あん肝地だけを食べても美味しく、豆腐地の部分だけを食べても美味しく、もちろん両方をうまく配分すると益々美味しく感じます。酒のつまみとしてもかなり上等。あん肝の下処理に時間がかかる上、酒蒸ししたあん肝をさらに豆腐と調理するという、言わば2度の調理を経て初めてできあがる料理。ちょっとたいへんかな、と思いますが、あん肝の酒蒸しは酒蒸しで美味しく頂けますので、二つとも楽しむ気分で作ってみてはいかがでしょうか。食卓が華やかになり、腕前に対する評価も上がります。ぜひ挑戦してみてください。なお、「あん肝の酒蒸し」については以前別のレシピでご紹介していますが、改めてここに記しておきます。前のレシピもご参考になさってください。

 

用意するもの

あん肝 適宜

酒 適宜

だし昆布 1〜2枚

塩 適宜

豆腐(小ぶりのもの) 3丁

山芋 3〜4センチほど

卵白 1個分

塩 小さじ1/2

 

作り方

 あん肝の酒蒸しを作る

  1. あん肝は筋目に包丁を入れ、筋を丁寧に取り除く。さらに筋のきわに血管があり、血がたまっているので、この血を押し出すようにして取り除く。たっぷりの冷水に浸し、冷蔵庫で5~6時間血抜きをする。
  2. 血抜きをしたあん肝は水のなかでさらに余分な筋や皮などを丁寧に取り除き、キッチンタオルを敷いたバットに取って、余分な水気をふき取る。塩を多めに振りかけ、30分ほどおく。浅めの保存容器にダシ昆布を敷き、2のあん肝を入れて酒をひたひたに注ぐ。上からキッチンタオルをかぶせて全体に酒が回るようにして、冷蔵庫で2時間つけ込む。
  3. 浅めの保存容器にダシ昆布を敷き、2のあん肝を入れて酒をひたひたに注ぐ。上からキッチンタオルをかぶせて全体に酒が回るようにして、冷蔵庫で2時間つけ込む。
  4. 3のあん肝を酒から取り出し、アルミホイルの上に置き、くるくると包んで、円筒形に形を整え両端をねじる。沸騰した蒸し器に入れて十五分ほど蒸す。
  5. あん肝のあら熱が取れたらできあがり。

 あん肝豆腐を作る

  1. 豆腐は厚めのキッチンペーパーに包んで電子レンジ(700W)で4分加熱し、ペーパーを変えて上から平らなバットなどをかぶせ、水を張ったボウルなどで重しをして2〜3時間かけてしっかり水抜きをする。
  2. 山芋はすり下ろしておく。
  3. 水抜きの終わった豆腐の1/2量をフードプロセッサーにかけてすりつぶす。ある程度すり上がったところで、豆腐の量の10%くらいの山芋と、卵白1/2個分を加えてさらによくすりつぶす。
  4. 流し型に3の豆腐地を流し込んで表面を平らにならしておく。
  5. 残りの豆腐もフードプロセッサーですりつぶし、3と同様に豆腐の量の10%くらいの山芋と、卵白1/2個分を加えてさらによくすりつぶし、あん肝の酒蒸し1本分(小ぶりのもの)と塩小さじ1程度を加えてさらにすりつぶしてあん肝地を作る。
  6. 4で豆腐地を流し込んだ上に、5のあん肝地を流し込み、表面を平らにならす。
  7. 蒸し器を火にかけ、沸騰してきたら弱火に落とし、6を入れ、上からクッキングペーパーをかぶせて1時間〜1時間半ほど蒸す。お湯は沸騰するかしないかといった温度に保ち、あくまでも弱火でじっくりと蒸す。温度が高くなりすぎるようなら、ふたをほんの少しずらしておくとよい。蒸気が勢いよく噴き出しているようだと「す」が入ってしまうので、柔らかな蒸気が洩れている程度を心がける。
  8. 蒸し上がった豆腐は蒸し器から取りだし、あら熱を取ったらラップをして冷蔵庫で一晩寝かせる。
  9. 型からはずして適当な大きさに切り分け、皿に盛りつければ出来上がり。

 

ポイント1

あん肝の取り扱い方や、あん肝酒蒸しの注意点については、『あん肝の酒蒸し』のレシピを参照してください。とにかく丁寧に血抜きすることが美味しく作るコツです。自分で作ったあん肝の酒蒸しは、他では食べられない美味しさです。今回は豆腐にアレンジしましたが、もちろんポン酢と紅葉おろしでいただいても美味。ぜひ試してみてください。

 

ポイント2

 

山芋の分量は、材料では4センチ程度となっていますが、豆腐の量を見て使う分量は調節してください。山芋の量が多いと、豆腐が柔らかくなりすぎてうまく成形されません。少ないと固くなりますが、少なすぎるときちんと固まらずグズグズになるので注意。使用する分量は豆腐の1割程度です。蒸すときは弱火で。火が強すぎると「す」が入ってしまいます。弱火でじっくりと、1時間から1時間半ほどかけて蒸し上げます。レシピのところでも触れていますが、勢いよく蒸気が噴き出しているようではダメ。柔らかな蒸気が上がっている程度の温度で蒸します。

 

 

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